研究課題/領域番号 |
19K16744
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研究種目 |
若手研究
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配分区分 | 基金 |
審査区分 |
小区分50010:腫瘍生物学関連
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研究機関 | 神戸大学 |
研究代表者 |
慶田城 迅 神戸大学, 医学研究科, 特命助教 (00754558)
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研究期間 (年度) |
2019-04-01 – 2021-03-31
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研究課題ステータス |
完了 (2020年度)
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配分額 *注記 |
4,160千円 (直接経費: 3,200千円、間接経費: 960千円)
2020年度: 1,950千円 (直接経費: 1,500千円、間接経費: 450千円)
2019年度: 2,210千円 (直接経費: 1,700千円、間接経費: 510千円)
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キーワード | ネクチン-4 / ErbB2 / p95-ErbB2 / インテグリンα6β4 / SOX2 / Integrinα6β4 / ネクチン / インテグリン |
研究開始時の研究の概要 |
現在、日本では二人に一人はがんになるおそれがあり、がんの発症や、がん細胞の増殖・生存や転移の仕組みの解明は非常に重要である。がん細胞は増殖すると、その一部は血流に乗り、別の部位に転移する。正常細胞は血中では生存出来ないが、がん細胞は血中でも生存できる一方、増殖は停止し、転移先に到達すると増殖を再開する。申請者は、がん細胞の増殖・生存に関わるタンパク質ErbB2とインテグリン、それらのスイッチ機構を担うと考えられるタンパク質ネクチンに注目し、これらを調べることでがん細胞の増殖、その停止・再開、そして生存の仕組みの解明を目指す。その仕組みを解明することは、新たな抗がん剤の開発に役立つと期待される。
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研究成果の概要 |
がんの発症と転移の過程におけるがん細胞の増殖・運動の停止・再開のスイッチ機構を解明することを目的とし、細胞接着分子ネクチン-4、成長因子受容体ErbB2、細胞外基質受容体インテグリンα6β4がこの機構に果たす機能の解析を行った。その結果、ネクチン-4が、ErbB2およびErbB2バリアントのp95-ErbB2と結合し、PI3K-AKT経路やHippo経路の活性化、転写因子SOX2の発現促進、非接着状態におけるがん細胞の増殖を亢進した。これらの分子の発現や結合により、がん細胞の増殖・運動の停止・再開のスイッチ機構の一端を解明した。
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研究成果の学術的意義や社会的意義 |
現在、日本では二人に一人はがんに罹患すると言われており、その発症や、がん細胞の転移や生存の仕組みの解明は喫緊の課題である。事実、様々な抗がん剤がその仕組みを標的とし、積極的に開発されている。細胞接着分子ネクチン-4と成長因子受容体ErbB2は、乳がんを含む多くのがんにおいて、その転移や生存を促進するタンパク質として知られている。本研究において、ネクチン-4や薬剤耐性型ErbB2によるがん細胞の増殖機構を解明した。本成果は、ネクチン-4を発現するがん細胞や薬剤耐性型ErbB2に対する新規抗がん剤の開発に役立つと期待される。
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