研究課題/領域番号 |
19K16746
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研究種目 |
若手研究
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配分区分 | 基金 |
審査区分 |
小区分50010:腫瘍生物学関連
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研究機関 | 徳島大学 |
研究代表者 |
三橋 惇志 徳島大学, 大学院医歯薬学研究部(医学域), 特任助教 (00833732)
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研究期間 (年度) |
2019-04-01 – 2021-03-31
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研究課題ステータス |
完了 (2020年度)
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配分額 *注記 |
4,160千円 (直接経費: 3,200千円、間接経費: 960千円)
2020年度: 1,300千円 (直接経費: 1,000千円、間接経費: 300千円)
2019年度: 2,860千円 (直接経費: 2,200千円、間接経費: 660千円)
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キーワード | 免疫チェックポイント阻害薬 / 血管新生阻害薬 / 線維細胞 / がん / 免疫チェックポイント分子 / 血管新生 / 癌 / 腫瘍血管新生 |
研究開始時の研究の概要 |
肺癌治療において免疫チェックポイント阻害薬は中心的な役割を果たしており、分子標的治療薬を含めた既存治療薬との併用効果についても注目を集めている。血管新生阻害薬である抗VEGF抗体との併用効果も報告されているが、その詳細な作用機序については不明な点が多い。近年申請者は線維細胞(fibrocyte)が抗VEGF抗体投与下の腫瘍組織へ集積し、治療耐性化に寄与することを報告した。本研究では腫瘍局所におけるfibrocyteの抗腫瘍免疫への機能を解析することで、免疫チェックポイント阻害薬および血管新生阻害薬併用治療の作用機序と新規バイオマーカー、治療標的の探索を行う。
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研究成果の概要 |
抗PD-L1抗体および抗VEGF抗体併用療法における線維細胞の機能を解明するべく、担癌マウスに抗VEGF抗体を投与したところ、腫瘍内にCOL1A1/CD45二重陽性線維細胞の集積が見られた。同モデルで抗VEGF抗体および抗PD-L1抗体を併用することで腫瘍抑制効果の増強が認められた。皮下移植した腫瘍組織近傍に、マウス肺組織より回収した線維細胞を移植し、抗PD-L1抗体との併用効果を検討したところ、併用群において腫瘍抑制効果の増強および腫瘍内へのCD8 T細胞集積を認めた。抗VEGF抗体治療により局所集積したPD-L1陽性線維細胞が抗PD-L1抗体の治療効果に寄与する可能性が示唆された。
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研究成果の学術的意義や社会的意義 |
線維細胞(fibrocyte)は良性肺疾患の分野においては疾患病態との関連性が多数報告されているが、悪性腫瘍との関連性について着目した報告は乏しく、腫瘍内fibrocyteの解析を介して新規治療標的の探索も目的とした本研究の学術的意義は高い。今後肺癌治療の第一選択として、免疫チェックポイント阻害薬が血管新生阻害薬や細胞障害性抗癌剤といった既存治療と併用される機会が増加すると予想される。本研究の成果により、これら併用療法の治療効果を予測するバイオマーカーが同定される可能性があり、肺癌診療に与える影響は大きいと考えられる。
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