研究課題/領域番号 |
19K16748
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研究種目 |
若手研究
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配分区分 | 基金 |
審査区分 |
小区分50010:腫瘍生物学関連
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研究機関 | 大阪大学 |
研究代表者 |
平松 宏祐 大阪大学, 医学部附属病院, 助教 (10650591)
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研究期間 (年度) |
2019-04-01 – 2022-03-31
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研究課題ステータス |
完了 (2021年度)
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配分額 *注記 |
4,160千円 (直接経費: 3,200千円、間接経費: 960千円)
2021年度: 1,820千円 (直接経費: 1,400千円、間接経費: 420千円)
2020年度: 1,560千円 (直接経費: 1,200千円、間接経費: 360千円)
2019年度: 780千円 (直接経費: 600千円、間接経費: 180千円)
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キーワード | 卵巣癌 / LSR / 子宮体癌 |
研究開始時の研究の概要 |
卵巣癌は進行癌として診断されることが多く、手術・抗癌剤治療は困難を極める。申請者らは卵巣癌細胞のタンパク質発現解析を行い、lipolysis-stimulated lipoprotein receptor (LSR) を同定し、この高発現が卵巣癌の予後不良因子であることを発見した。さらに新規に抗LSR抗体を作成し、この抗体が卵巣癌細胞株およびヒト卵巣癌組織移植マウスモデルに抗腫瘍効果を示すことを証明した。しかしLSRの役割と抗LSR抗体の作用機序はまだ十分に解明されていない。本研究では卵巣癌の増殖・生存・播種にLSRが如何に関わるか、抗LSR抗体が何を阻害するのかを分子生物学的に解析する
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研究成果の概要 |
(1) LSRの活性化条件とリガンドの同定: LSR陽性細胞を低酸素や低グルコース条件下で培養すると通常培養細胞と比べてLSRの発現は増加した。(3) 腹膜播種におけるLSRと脂質の役割: LSR陽性細胞にLDLやVLDLを加えたが細胞の遊走能は上昇しなかった。 (4) その他: 卵巣癌と同じ婦人科癌である子宮体癌でLSRの機能解析をすると、LSRの高発現は子宮体癌の予後不良因子であり、特に筋層浸潤と遠隔転移と関連していた。そのメカニズムはLSRがMAPK経路を活性化し増殖を活性化し、さらにEMTに関連するMMP2を介して浸潤を促進していた。これらは抗LSR抗体により阻害された。
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研究成果の学術的意義や社会的意義 |
卵巣癌においてLSRは低酸素や低Glcといった環境下での細胞の増殖/生存に関わることが示唆された。また同時に検証した子宮体癌におけるLSRの機能は、卵巣癌と同様に細胞の増殖の促進であり、今回新たにEMTに関連するMMP2の発現がLSRと関連することが証明され、LSRが卵巣癌と子宮体癌の増殖、浸潤、遊走に深くかかわることが示唆された。
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