研究課題/領域番号 |
19K16755
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研究種目 |
若手研究
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配分区分 | 基金 |
審査区分 |
小区分50010:腫瘍生物学関連
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研究機関 | 東海大学 |
研究代表者 |
赤塚 尚子 東海大学, 医学部, 特定研究員 (20826317)
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研究期間 (年度) |
2019-04-01 – 2022-03-31
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研究課題ステータス |
完了 (2021年度)
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配分額 *注記 |
4,290千円 (直接経費: 3,300千円、間接経費: 990千円)
2021年度: 1,300千円 (直接経費: 1,000千円、間接経費: 300千円)
2020年度: 1,430千円 (直接経費: 1,100千円、間接経費: 330千円)
2019年度: 1,560千円 (直接経費: 1,200千円、間接経費: 360千円)
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キーワード | AMBRA1 / 細胞増殖 / 腫瘍 / 前癌状態 / マウス |
研究開始時の研究の概要 |
AMBRA1は新たな腫瘍抑制遺伝子と考えられる。 我々はマウスのAMBRA1を全身で欠損させたところ、顕著な体重増加とともに腎臓、肝臓、膵臓等ほとんどの臓器の大きさ、重量が増えていた。通常完成した臓器では頻繁に細胞増殖が生じないが、このマウスでは各臓器で細胞増殖が亢進していた。 また、AMBRA1欠損マウスに発ガン剤を与えて人工的に腫瘍形成を誘導したところ、早期に腫瘍が生じた。 我々はAMBRA1欠損マウスが癌を発症する前の前癌状態を示すモデルマウスとして有用だと考えている。本研究によって、正常組織がいかにして癌へと姿を変えるのか、その発症メカニズムを解明できることを期待する。
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研究成果の概要 |
家族性腫瘍であるCowden症候群患者から、新規原因遺伝子としてAMBRA1を見出した。患者は機能に重要と考えられるアミノ酸が置換したAMBRA1を有していた。本研究によって患者型AMBRA1が機能欠失であることが認められた。またこれまでAMBRA1の生体内における機能が十分に解析されていなかったことから欠損マウスを作成した。当該マウスは細胞増殖の異常な亢進により臓器肥大、腫瘍感受性の亢進が認められた。他に顆粒球系細胞の異常な増殖、肺・肝臓への浸潤が認められた。以上のことからAMBRA1は腫瘍抑制遺伝子、血球系細胞の分化に重要であることが本研究によって明らかとなった。
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研究成果の学術的意義や社会的意義 |
本研究では世界で初めてヒトの生殖系細胞にAMBRA1遺伝子の変異を見出し、かつ機能欠失型であることを明らかにした。また、AMBRA1が腫瘍抑制遺伝子として機能することを生理的な実験系で証明できた。家族性腫瘍は稀な疾患であるが、そのほとんどが腫瘍抑制遺伝子の変異による。家族性腫瘍の原因遺伝子の解析によって、生命の理解に重要な知見が重ねられてきた。Cowden症候群も同様に稀な家族性腫瘍であるが、AMBRA1の解析によって生命の新たな知見を得ることができた。
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