研究課題
若手研究
骨肉腫の肺転移症例は極めて予後不良である. 周術期抗がん剤治療が標準治療となるが, 新規分子標的薬の早期開発が望まれる. 様々ながんのoncogeneであるApoptosis signalregulatingkinase 1 (ASK1)に着目し, 骨肉腫におけるASK1の関与の研究を立案した. 本研究の目的は骨肉腫モデルにおいてASK1の関与および阻害剤の効果を検討することである. 培養細胞では, 高肺転移骨肉腫細胞株・ヒト骨肉腫初代培養細胞を用いて増殖能・遊走能におけるASK1の機能を評価する. 動物実験では, ASK1欠損マウスで骨肉腫モデルを作成し, 腫瘍進展・肺転移の評価を行う.
骨肉腫は局所増大と肺転移により予後が悪くなるため両者の制御が重要である.本研究では骨肉腫における酸化・還元(レドックス)制御の解明とともに,チオレドキシンおよびチオレドキシン還元酵素阻害剤であるPX-12とオーラノフィン(AUR)に着目した.PX-12は局所増大を,AURは肺転移も抑制した.また他の酸化ストレス誘発剤との相乗効果も検討するためにセレコキシブとAURの併用も検討した.両者併用により骨肉腫の局所増大を相乗的に抑制した.また骨肉腫と軟骨肉腫の患者腫瘍組織移植モデル(Patient-derived xenografts:PDX)作成に成功し,今後の研究で応用する予定である.
骨・軟部肉腫ではレドックス制御の報告は限られており,本研究のさらなる発展によりレドックス関連阻害剤の骨・軟部肉腫への応用が期待できる.また,AURはすでに本邦において承認されており,抗リウマチ薬としても用いられている安全性の高い内服薬である.近年,ドラッグリポジショニングが注目されており,今後AURの骨肉腫への効果がPDX等でも証明できれば,AURの臨床応用も早期可能であると考えられる.またPDXはヒトの病態に最も近いモデルであり,現在骨肉腫も含めた様々な骨・軟部肉腫のPDX作成を継続しており,今後のレドックス制御の解明を含め様々な研究の基盤になると考える.
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すべて 雑誌論文 (16件) (うち査読あり 16件、 オープンアクセス 8件) 学会発表 (13件) (うち国際学会 9件)
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