研究課題/領域番号 |
19K16770
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研究種目 |
若手研究
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配分区分 | 基金 |
審査区分 |
小区分50010:腫瘍生物学関連
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研究機関 | 京都大学 |
研究代表者 |
河口 浩介 京都大学, 医学研究科, 助教 (30516927)
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研究期間 (年度) |
2019-04-01 – 2021-03-31
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研究課題ステータス |
完了 (2020年度)
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配分額 *注記 |
4,160千円 (直接経費: 3,200千円、間接経費: 960千円)
2020年度: 2,340千円 (直接経費: 1,800千円、間接経費: 540千円)
2019年度: 1,820千円 (直接経費: 1,400千円、間接経費: 420千円)
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キーワード | 腫瘍免疫微小環境 / 乳がん / 肝転移 / 腫瘍微小環境 / 乳癌 / iNOS |
研究開始時の研究の概要 |
免疫チェックポイント阻害薬の乳癌に対する奏功率は約5%と限定的であるが、奏功例では従来の殺細胞性抗癌剤では得る事の出来ない長期生存が認められ、投与中止後も効果が継続することが特徴として挙げられる。そのため免疫チェックポイント阻害薬の効果予測並びに奏功率の改善は、乳癌治療において取り組むべき大きな課題である。特に肝転移を有する患者においては免疫チェックポイント阻害薬の効果が得られにくいという報告がある。我々研究グループはマウスを用いた乳癌肝転移モデルを利用し、肝転移巣特異的な腫瘍微小環境における治療抵抗性のメカニズムを解明することを目指す。
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研究成果の概要 |
乳癌肝転移巣におけるがん免疫療法の効果は限定的であることが問題点として挙げられる。乳癌患者において予後に強く関連する肝転移の制御は不可欠であると考え、マウスを用いた乳癌肝転移モデル並びにヒト臨床サンプルを利用し、乳癌肝転移巣の腫瘍免疫微小環境における解析を行った。肝転移巣に関しては、原発巣並びに肺転移モデルと比べ、治療効果が乏しい事を確認した。さらに肝転移巣における網羅的遺伝子発現パターンを解析したところ、補体経路を代表とする特徴的な免疫・代謝経路と関わる事が示唆された。以上より、肝転移巣特異的な腫瘍免疫微小環境リプログラミングを行うことにより、乳癌肝転移の制御が可能であることが示唆された。
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研究成果の学術的意義や社会的意義 |
本研究により、肝転移巣特異的な腫瘍免疫微小環境形成に補体経路が関わる事が示唆された。肝転移の制御は乳癌患者の生存のみならず生活の質に大きく関わる為、非常に重要な社会的意義を持つ。今後の継続研究により、肝転移巣の腫瘍免疫微小環境をターゲットとした治療ストラテジーの開発が急務であると考える。
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