研究課題/領域番号 |
19K16772
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研究種目 |
若手研究
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配分区分 | 基金 |
審査区分 |
小区分50010:腫瘍生物学関連
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研究機関 | 大阪大学 |
研究代表者 |
石川 慧 大阪大学, 医学部附属病院, 医員 (90804021)
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研究期間 (年度) |
2019-04-01 – 2021-03-31
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研究課題ステータス |
完了 (2020年度)
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配分額 *注記 |
3,510千円 (直接経費: 2,700千円、間接経費: 810千円)
2020年度: 1,690千円 (直接経費: 1,300千円、間接経費: 390千円)
2019年度: 1,820千円 (直接経費: 1,400千円、間接経費: 420千円)
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キーワード | 上皮間葉転換 / 大腸癌 / バイオインフォマティクス / 癌遺伝子 / CRISPR |
研究開始時の研究の概要 |
CRISPR-Cas9によるノックアウト技術と次世代シークエンサーを用いた網羅的解析手法により大腸癌転移機構の解明、治療法の開発を目指す。レンチウイルスライブラリーを感染させ癌細胞株1細胞毎に1遺伝子をノックアウトした後、癌転移に深く関わるとされる上皮間葉転換を誘導する。上皮間葉転換の形質の高い集団と低い集団を分離し、網羅的シークエンスを行うことで上皮間葉転換に促進的に働く遺伝子群、抑制的に働く遺伝子群を同定する。 つぎに実際にその遺伝子についてin vitro、in vivo実験により機能を解明する。
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研究成果の概要 |
上皮間葉転換に関わる遺伝子の網羅的な解析手法として、当初CRISPRノックアウトライブラリーを用いたスクリーニングを試みたが、細胞株によるTGFβへの応答のばらつきのためこの系は十分に機能しなかった。そこで癌腺部と間質を分離して公開データベースの遺伝子発現データと併せて解析し、上皮間葉転換誘導遺伝子の網羅的な同定を行った。この中の一つであるARC遺伝子はin vitroにおいて大腸癌細胞の上皮間葉転換に関連し、また臨床検体においてその発現が大腸癌の再発と相関することを発見した。今後候補遺伝子の解析を進めることで上皮間葉転換の複雑なプログラムの理解および治療薬開発の一助となることが期待される。
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研究成果の学術的意義や社会的意義 |
上皮間葉転換は様々な癌種の転移プロセスに中心的な役割を果たすことが知られているが、関連する分子の全体像は明らかとなっていない。本研究では大腸癌細胞の上皮間葉転換に関連する遺伝子をバイオインフォマティクスの手法を用いて網羅的に同定することに成功した。個々の遺伝子についてはさらなる研究が必要であるが、上皮間葉転換の全体像を理解し、それを標的とする治療法開発につながる可能性があるという点で学術的意義は大きいと考える。
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