研究課題/領域番号 |
19K16776
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研究種目 |
若手研究
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配分区分 | 基金 |
審査区分 |
小区分50010:腫瘍生物学関連
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研究機関 | 佐賀大学 |
研究代表者 |
田中 智和 佐賀大学, 医学部, 助教 (60781903)
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研究期間 (年度) |
2019-04-01 – 2022-03-31
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研究課題ステータス |
完了 (2021年度)
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配分額 *注記 |
4,290千円 (直接経費: 3,300千円、間接経費: 990千円)
2021年度: 260千円 (直接経費: 200千円、間接経費: 60千円)
2020年度: 2,470千円 (直接経費: 1,900千円、間接経費: 570千円)
2019年度: 1,560千円 (直接経費: 1,200千円、間接経費: 360千円)
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キーワード | ファルネシル転換酵素阻害薬 / NAFLD/NASH関連肝癌 / HIF-1α / ファルネシル化 / 抗炎症反応 / NAFLD/NASH肝癌 / NASH / NAFLD / 肝癌 |
研究開始時の研究の概要 |
非アルコール性脂肪性肝障害(NAFLD)/非アルコール性脂肪性肝炎(NASH)に起因する肝癌は、近年明らかに増加し、未だ有効な予防法や薬剤が存在しない。これまでファルネシル転換酵素阻害薬(FTI)による急性肝障害予防やインスリン抵抗性改善、乳癌における転移抑制、といった研究成果を報告してきたが、慢性炎症やインスリン抵抗性を基礎に惹起されると推定されるNAFLD/NASH肝癌に対し、FTIが有効な新規治療薬となる可能性がある。これまでの研究成果をNAFLD/NASH肝癌における基礎的研究に応用し、NAFLD/NASH肝癌に対する新たな治療戦略の確立を最終的な目標とする。
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研究成果の概要 |
近年、NAFLD/NASHに起因する肝癌は明らかに増加しているが、有効な予防法や薬剤は存在しない。本研究では、NAFLD/NASH肝癌に対する新規治療戦略として、ファルネシル転換酵素阻害薬(FTI)の抗腫瘍効果とそのメカニズムを検証した。FTIは複数の肝癌細胞株で抗腫瘍効果を認めた他、NAFLD/NASH肝癌を想定した炎症惹起または脂肪滴産生モデルでより強い抗腫瘍効果を示し、その作用メカニズムに抗炎症効果の関与が示された。また、NASH肝癌発生モデルマウスを用いた動物実験でもFTIの抗腫瘍効果が確認され、NAFLD/NASH肝癌に対する新規治療薬として期待の持てる結果となった。
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研究成果の学術的意義や社会的意義 |
本研究の成果(FTIのNAFLD/NASH肝癌に対する抗腫瘍効果の証明とその作用機序の検討)によって、今後も増加が見込まれるNAFLD/NASH肝癌患者に対する新たな治療選択肢の一つとなり得る可能性がある。さらに、抗腫瘍効果の作用機序の一端として、NAFLD/NASH肝癌の発癌および進行過程に大きく寄与すると思われる炎症反応をFTIが制御することから、NAFLD/NASH肝癌の治療(腫瘍縮小や進行抑制)のみならず、NAFLD/NASHに対して使用することで後の発癌抑制につながる可能性がある。
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