研究課題/領域番号 |
19K16778
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研究種目 |
若手研究
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配分区分 | 基金 |
審査区分 |
小区分50010:腫瘍生物学関連
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研究機関 | 大分大学 |
研究代表者 |
矢野 光剛 大分大学, 医学部, 助教 (70817064)
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研究期間 (年度) |
2019-04-01 – 2023-03-31
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研究課題ステータス |
完了 (2022年度)
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配分額 *注記 |
3,640千円 (直接経費: 2,800千円、間接経費: 840千円)
2021年度: 1,170千円 (直接経費: 900千円、間接経費: 270千円)
2020年度: 1,170千円 (直接経費: 900千円、間接経費: 270千円)
2019年度: 1,300千円 (直接経費: 1,000千円、間接経費: 300千円)
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キーワード | 腫瘍間質 / 機能性間質 / KRAS / 卵巣癌 / 中腎様腺癌 |
研究開始時の研究の概要 |
卵巣癌における癌上皮と、機能性間質をはじめとした腫瘍間質の、遺伝子解析や免疫組織化学を行い、両者の共通性や差異を明らかにする。それによって腫瘍間質の起源や役割を明らかにし、治療標的となる可能性を模索する。
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研究成果の概要 |
機能性間質を伴う卵巣癌14例を特定した.7例が類内膜癌で,7例が明細胞癌であった.Laser microdissectionによって癌細胞組織片と機能性間質組織片を単離し,それぞれの遺伝子解析(KRAS,ARID1A,PIK3CA,PTEN,FOXL2)を行った.1例のみに腫瘍全体,癌細胞,機能性間質に同一の遺伝子変異KRAS (E31K)がみられ,両者が共通の細胞起源を有する可能性が示唆された.
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研究成果の学術的意義や社会的意義 |
これまでに卵巣癌の腫瘍間質,特にホルモン産生能を伴う機能性間質に着目した研究はわずかしかなかった.我々は,機能性間質を伴う卵巣癌を14例同定して,手術前後の血清エストロゲン値やFSH値の変化から,卵巣腫瘍のエストロゲン産生能とフィードバック機構を確認した.また1例のみであったが卵巣癌上皮と機能性間質に同一のKRAS遺伝子変異がみられ,両者が同一の細胞由来である可能性を見出した.従来から使用されている化学療法は癌細胞自体を標的とするものが多いが,本研究が発信した腫瘍間質の遺伝子変異やその由来の仮説は,腫瘍間質や癌微小環境を標的とする治療開発の一助になると考えられる.
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