研究課題/領域番号 |
19K16781
|
研究種目 |
若手研究
|
配分区分 | 基金 |
審査区分 |
小区分50010:腫瘍生物学関連
|
研究機関 | 東京慈恵会医科大学 |
研究代表者 |
吉田 彩舟 東京慈恵会医科大学, 医学部, 助教 (40772744)
|
研究期間 (年度) |
2019-04-01 – 2021-03-31
|
研究課題ステータス |
完了 (2020年度)
|
配分額 *注記 |
4,290千円 (直接経費: 3,300千円、間接経費: 990千円)
2020年度: 2,080千円 (直接経費: 1,600千円、間接経費: 480千円)
2019年度: 2,210千円 (直接経費: 1,700千円、間接経費: 510千円)
|
キーワード | DYRK2 / 組織発生 / 一次繊毛 / Hedgehog / リン酸化酵素 / 発がん / 幹細胞 / LGR5 / Lgr5 / キナーゼ |
研究開始時の研究の概要 |
幹細胞は組織の維持に寄与する一方で、がんの発症やがん幹細胞の起源である可能性が示唆されている。したがって、「組織幹細胞からの発がん機構」の理解は、がんの抑制ならびに治療に貢献できる。我々は、新規のがん抑制遺伝子としてDYRK2を同定しており、多種のヒトがんを対象とした評価を展開してきた。しかし、個体レベルでの、がん化におけるDYRK2の作用点ならびに機能は、依然として未解明である。 本研究は、がん抑制遺伝子Dyrk2 の発現低下が、正常幹細胞の維持機構の破綻と発がんに寄与する可能性を検証するために、Dyrk2 の腸管幹細胞特異的なノックアウトマウスを用いた個体レベルでの機能解析を目的とする。
|
研究成果の概要 |
組織発生は、様々なシグナル分子の時空間的な制御により進行する。近年の幹細胞生物学の発展に伴い、組織幹細胞は、組織発生だけでなく、発がんにも関与することが明らかになりつつある。 本研究では、これまで哺乳類個体レベルでの機能が報告されていないリン酸化酵素の中でも、Dual specificity tyrosine phosphorylation-regulated kinase 2 (DYRK2)に注目し、マウス個体レベルでの機能解析を行った。その結果、リン酸化酵素DYRK2が新規の一次繊毛制御因子であり、Hedgehogシグナルの活性化に必須の分子であることを哺乳類の個体・細胞レベルで示した。
|
研究成果の学術的意義や社会的意義 |
本研究から、リン酸化酵素DYRK2が新規の一次繊毛制御因子であり、Hedgehogシグナルの活性化に必須の分子であることを明らかにした。一次繊毛の異常は、内臓逆位や骨格異常、水頭症などの奇形疾患「繊毛病」の原因であることが報告されている。したがって、本研究から得られた知見は、組織発生の制御機序、さらに、それらの異常によって生じる「奇形疾患」や「がん」の病態解明につながると考えられる。
|