研究課題/領域番号 |
19K16782
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研究種目 |
若手研究
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配分区分 | 基金 |
審査区分 |
小区分50010:腫瘍生物学関連
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研究機関 | 東京医科歯科大学 |
研究代表者 |
清水 幹容 東京医科歯科大学, 難治疾患研究所, 助教 (00774358)
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研究期間 (年度) |
2019-04-01 – 2023-03-31
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研究課題ステータス |
完了 (2022年度)
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配分額 *注記 |
4,160千円 (直接経費: 3,200千円、間接経費: 960千円)
2021年度: 1,430千円 (直接経費: 1,100千円、間接経費: 330千円)
2020年度: 520千円 (直接経費: 400千円、間接経費: 120千円)
2019年度: 2,210千円 (直接経費: 1,700千円、間接経費: 510千円)
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キーワード | がん幹細胞 / CSC / RAS / SOX2 / O-GlcNAc修飾 / cancer stem cells / IL-8 / O-GlcNAc / Cancer stem cells |
研究開始時の研究の概要 |
がん幹細胞は、腫瘍形成能、自己複製能、薬剤耐性能をもつ細胞集団であり、腫瘍形成やがんの転移、再発といった悪性化に関与する。これまでの研究から炎症性ケモカインであるIL-8ががん幹細胞の機能維持に重要なことがわかった。しかし、全てのがん幹細胞がIL-8依存的に制御されるわけではない。そこで本研究では、IL-8で制御される細胞集団の違いに着目し、IL-8依存的ながん幹細胞制御機構の解明を目指す。
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研究成果の概要 |
がん幹細胞は、転移や再発の原因の1つと考えられている特殊ながん細胞で、近年、がん幹細胞を標的とした治療が注目されている。本研究では、炎症性ケモカインIL-8に着目し、IL-8依存的に制御されるがん幹細胞の同定と制御機構の解明を目指したが、3次元スフェロイドを用いたシングルセル解析では同定には至らなかった。一方、研究の副次的な結果として、がんにおいて頻発するRAS遺伝子の変異がMAPK経路を介してCDK1活性化とタンパク質のO-GlcNAc修飾レベル増大を誘導し、最終的にSOX2の発現を促進することでがん幹細胞を発生させることを明らかとした。
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研究成果の学術的意義や社会的意義 |
本研究ではがんを構成する細胞の不均一性に着目し、培養細胞を用いた3次元スフェロイドによるシングルセル解析を行ったが、本手法では実際のがんで見受けられる「細胞の不均一性」を完全には再現できなかったと推測される。予想された結果とは異なるが、患者由来の検体を用いた解析の重要性が改めて明らかとなった。一方、これまで遺伝子変異により生じるがん幹細胞発生機構は全く知られていなかったが、本研究ではがんにおいて頻発するRAS遺伝子の変異によるがん幹細胞発生機構を解明できた。したがって、本研究で明らかとなった機構を阻害する薬剤ががん幹細胞の発生を抑え、がんの転移や再発を抑制することができると期待される。
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