研究課題/領域番号 |
19K16789
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研究種目 |
若手研究
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配分区分 | 基金 |
審査区分 |
小区分50010:腫瘍生物学関連
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研究機関 | 東京理科大学 (2020-2021) 国立研究開発法人国立がん研究センター (2019) |
研究代表者 |
滝川 雅大 東京理科大学, 理工学部応用生物科学科, 助教 (80807834)
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研究期間 (年度) |
2019-04-01 – 2022-03-31
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研究課題ステータス |
完了 (2021年度)
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配分額 *注記 |
4,160千円 (直接経費: 3,200千円、間接経費: 960千円)
2021年度: 1,560千円 (直接経費: 1,200千円、間接経費: 360千円)
2020年度: 1,690千円 (直接経費: 1,300千円、間接経費: 390千円)
2019年度: 910千円 (直接経費: 700千円、間接経費: 210千円)
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キーワード | がん抑制遺伝子 / Hippoシグナル経路 / アポトーシス / p53 / 分泌性タンパク質 |
研究開始時の研究の概要 |
p53PAD7は代表的ながん抑制遺伝子であるp53の標的遺伝子であり、細胞増殖を抑制する働きがある。胃がんや乳がんの一部でp53PAD7のプロモーター領域が高度にメチル化されていることからがんの悪性化に関連していることが示唆されていたが、その詳細な分子的メカニズムは不明であった。本研究ではp53PAD7とHippoシグナル経路を介したがん抑制機構の詳細な分子メカニズムを明らかにするとともに、個体レベルでのp53PAD7のがん悪性化への関連を明らかにする。
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研究成果の概要 |
p53PAD7は代表的ながん抑制遺伝子であるp53の標的遺伝子であり、細胞増殖を抑制する働きがある。我々はこれまでにp53PAD7が細胞外へ分泌されることを発見し、リコンビナントp53PAD7蛋白質が細胞増殖を抑制する働きを示すことを明らかにした。さらに、質量分析による網羅的な解析からプロトカドヘリンファミリー蛋白質が受容体候補であることを同定しており、Hippoシグナル経路への関連を明らかにした。本研究ではリコンビナントp53PAD7蛋白質を培養培地に添加した際の遺伝子発現の網羅的な変化を検出し、さらにマウス個体での腫瘍悪性化に対するp53PAD7の影響を明らかにした。
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研究成果の学術的意義や社会的意義 |
胃がんと乳がんの一部ではp53PAD7のプロモーター領域が高度にメチル化されることで発現が抑制されることが明らかになっており、p53PAD7の発現低下は予後不良マーカーと考えられている。リコンビナントp53PAD7タンパク質を添加した細胞のmRNA発現量を網羅的に解析した結果、アポトーシスを起こした細胞に見られる発現変化が観察された。p53の下流遺伝子であるp53PAD7を介して、癌化した細胞の周辺にアポトーシスを起こし、排除させるための機構として働いていると考えられる。
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