研究課題/領域番号 |
19K16792
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研究種目 |
若手研究
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配分区分 | 基金 |
審査区分 |
小区分50020:腫瘍診断および治療学関連
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研究機関 | 東京大学 |
研究代表者 |
鈴木 絢子 東京大学, 大学院新領域創成科学研究科, 特任准教授 (00770348)
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研究期間 (年度) |
2019-04-01 – 2021-03-31
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研究課題ステータス |
完了 (2020年度)
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配分額 *注記 |
4,160千円 (直接経費: 3,200千円、間接経費: 960千円)
2020年度: 1,690千円 (直接経費: 1,300千円、間接経費: 390千円)
2019年度: 2,470千円 (直接経費: 1,900千円、間接経費: 570千円)
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キーワード | ロングリードシークエンス / 全長cDNAシークエンス / 肺がん / ネオ抗原 / ロングリード / 非小細胞肺がん / がん特異的転写産物 / ネオアンチジェン / ナノポアシークエンサー / 転写産物 / 全長RNA-seq / がん |
研究開始時の研究の概要 |
本研究は、ロングリードシークエンサーMinIONを用いて、がん細胞におけるmRNAの全長構造を同定することにより、がん特異的新生抗原(ネオ抗原)となりうる異常mRNAを同定する手法を開発するものである。特に肺腺癌に着目し、まず、豊富なオミクス情報が付随した肺腺癌細胞株パネルを用いて、がん細胞に蓄積した異常mRNAをMinIONによって同定する。次に細胞株モデル系で構築したパイプラインを、実際の肺腺癌臨床検体の解析に応用する。
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研究成果の概要 |
本研究は、MinIONを駆使して肺がん細胞の全長cDNA解読を行い、がん細胞における異常転写産物の全長構造の同定およびそれらを由来とする新規ネオ抗原候補の探索を行うものである。肺がん細胞株および非小細胞肺がん臨床検体を用いて、肺がんの全長転写産物カタログを作成し、異常転写産物の同定を行った。また、NMDやRNAスプライシング因子のステータスと異常転写産物の関係性を示した。さらに、得られた異常転写産物から翻訳される予測ペプチドについて、HLA結合親和性や免疫原性を評価した。本研究によって全長mRNA配列から明らかとなる異常スプライスバリアントの解析が極めて重要であることが示唆された。
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研究成果の学術的意義や社会的意義 |
本研究では、ロングリードシークエンス技術を用いて、がん細胞における転写産物の全長構造を明らかにしており、さらに異常mRNAから産生されるネオ抗原候補を検出する手法を構築している。これまで正しく評価ができていなかったフレームシフト変異や異常スプライシングパターンに由来するネオ抗原候補を新たに検出することができる、新規ゲノム解析技術を駆使した手法を構築している面から、ゲノムおよび腫瘍診断分野における学術的意義は大きいと考えている。また、TMBに加えて免疫チェックポイント阻害療法に対する新たなマーカー候補を提案することができており、社会的意義も十分にあると考えている。
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