研究課題
若手研究
LATS2 (large tumor suppressor kinase2)変異は、悪性中皮腫をはじめ胃・大腸がんなど種々の臓器がんで報告されている。本研究課題は、LATS2変異悪性中皮腫と合成致死を示す遺伝子として見出したSMG6による細胞死を誘導する分子機構の解明を試みる。さらに、新たに設計したSMG6阻害剤による抗がん効果をin vivo、in vitroで検討し、SMG6の新規治療標的としての有用性を明らかにする。本研究が遂行されることで、悪性中皮腫をはじめとしたLATS2変異を内包した全身の多様な臓器がんに、新たな治療戦略を提案することが可能となる。
悪性中皮腫は予後不良な腫瘍であり、LATS2(large tumor suppressor kinase2)を含むがん抑制遺伝子の変異が報告されている。一般的にがん抑制遺伝子を活性化させる分子標的薬の開発は困難とされ、合成致死を応用した治療戦略が注目されている。本研究では、LATS2変異を有した悪性中皮腫に対し、新規合成致死標的としてSMG6を見出し、SMG6とTERTが協働して合成致死を誘導することを明らかにした。また、悪性中皮腫の担がんマウスモデルに対してSMG6の発現抑制、TERT阻害剤の投与によって腫瘍細胞の退縮が確認され、悪性中皮腫に対する新たな分子標的としての可能性を示した。
LATS2は、悪性中皮腫だけでなく前立腺がん、腎細胞がん、胆管がんをはじめ複数種のがんにおいて不活性変異が報告されている。本研究では、LATS2変異悪性中皮腫に対する合成致死標的としてSMG6/TERTの阻害によって細胞死の誘導を明らかにした。さらにLATS2変異を有する他臓器のがんに対してSMG6、TERTの阻害によってがん細胞を死滅させることが期待される。
すべて 2023 2022 2021 2020 2019
すべて 雑誌論文 (6件) (うち国際共著 1件、 査読あり 6件、 オープンアクセス 5件) 学会発表 (14件) (うち国際学会 1件、 招待講演 1件) 産業財産権 (1件)
Annals of the New York Academy of Sciences
巻: - 号: 1 ページ: 51-61
10.1111/nyas.14980
Cell Death Discovery
巻: 8 号: 1 ページ: 446-446
10.1038/s41420-022-01232-w
Scientific Reports
巻: 11 号: 1 ページ: 21110-21110
10.1038/s41598-021-00708-6
Blood Adv
巻: 5 号: 20 ページ: 4233-4255
10.1182/bloodadvances.2020003661
J Clin Lipidol
巻: 14 号: 5 ページ: 730-739
10.1016/j.jacl.2020.07.011
Heterocycles
巻: 100 号: 2 ページ: 253-266
10.3987/com-19-14191