研究課題/領域番号 |
19K16812
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研究種目 |
若手研究
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配分区分 | 基金 |
審査区分 |
小区分50020:腫瘍診断および治療学関連
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研究機関 | 近畿大学 |
研究代表者 |
原谷 浩司 近畿大学, 大学病院, 助教 (90760447)
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研究期間 (年度) |
2019-04-01 – 2021-03-31
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研究課題ステータス |
完了 (2020年度)
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配分額 *注記 |
4,160千円 (直接経費: 3,200千円、間接経費: 960千円)
2020年度: 780千円 (直接経費: 600千円、間接経費: 180千円)
2019年度: 3,380千円 (直接経費: 2,600千円、間接経費: 780千円)
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キーワード | 非小細胞肺癌 / 免疫治療 / 腫瘍免疫 / チェックポイント阻害薬 / PD-1 / 耐性 / 腫瘍量 / 遺伝子発現 / PD-1、PD-L1阻害薬 / 腫瘍免疫微小環境 / PD−1・PD-L1阻害薬 |
研究開始時の研究の概要 |
進行再発非小細胞肺癌において、実際の治療データに加えて、治療前の臨床検体を用いた腫瘍組織免疫染色や免疫関連遺伝子発現解析により、腫瘍量と腫瘍免疫活性の関連性を明らかにすることを目的とする。これにより、腫瘍量の過多が腫瘍免疫や実際の治療効果に与える影響が明らかとなれば、それに対する克服策を提案し、治療戦略の最適化に繋がることが期待される。
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研究成果の概要 |
進行再発非小細胞肺癌初回治療例を対象とした多施設共同研究を行った。PD-1阻害薬単独療法を行った106例を主対象とし、殺細胞薬のみで治療した105例、PD-1阻害薬+殺細胞薬で治療した49例を対照群として集積し、治療効果と腫瘍量の関連性を検討した。殺細胞薬群では、腫瘍量と治療効果の関連性は認められなかったが、PD-1阻害薬単独治療群でその関連性が強く認められた。また、51例の腫瘍組織検体で遺伝子発現解析を行うと、腫瘍量が多い群は少ない群と比較して免疫抑制性シグナルが亢進していた。以上より、腫瘍量が多い場合には、特定の免疫状態によってPD-1阻害薬単独治療への耐性を示すことが示唆された。
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研究成果の学術的意義や社会的意義 |
治療前腫瘍量が多い未治療進行再発非小細胞肺癌においては、PD-1阻害薬単独治療では治療効果が不十分であることがわかった一方、殺細胞薬などを適切に併用することでそれを克服できる可能性が示唆された。また、免疫関連遺伝子発現解析により、腫瘍量が多い場合に特定の免疫プロファイルによってPD-1阻害薬単独治療への耐性を示すことが示唆された。これらの知見によって、腫瘍量の大小による治療戦略の最適化が促進すことが期待される。
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