研究課題/領域番号 |
19K16821
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研究種目 |
若手研究
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配分区分 | 基金 |
審査区分 |
小区分50020:腫瘍診断および治療学関連
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研究機関 | 株式会社関西メディカルネット(関西電力医学研究所) |
研究代表者 |
稲野 将二郎 株式会社関西メディカルネット(関西電力医学研究所), 臨床腫瘍研究部, 上級特別研究員 (70811199)
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研究期間 (年度) |
2019-04-01 – 2021-03-31
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研究課題ステータス |
完了 (2020年度)
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配分額 *注記 |
4,160千円 (直接経費: 3,200千円、間接経費: 960千円)
2020年度: 1,690千円 (直接経費: 1,300千円、間接経費: 390千円)
2019年度: 2,470千円 (直接経費: 1,900千円、間接経費: 570千円)
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キーワード | エクソソーム / ユビキチン化 / 膵癌 / KRAS / ユビキチンプロテアソーム系 / 分子標的治療 / DDS |
研究開始時の研究の概要 |
がん治療において、細胞表面を対象とした治療は優れた効果が期待できるが、細胞内部を対象とした自由度の高い治療プラットフォムはない。エクソソームは薬剤のデリバリーシステムとして期待されており、単鎖抗体であるnanobodyを格納してがん細胞内部に取り込ませることで治療を行うことを想定し、そのための基礎的検討を行う。
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研究成果の概要 |
まず、エクソソーム移行配列ーユビキチン化酵素ーnanobodyからなるキメラ蛋白をスクリーニングし、GFPに対するnabobodyを用いて、GFPを効率よく分解するものをスクリーニングした。がん治療に応用するため、次にnanobodyを置換してKRASの分解か可能かどうか検証した。KRASに注目したのは、いまだ有効な治療法の存在しない膵癌において中心的な役割を果たしているからである。結果、KRASの活性化型特異的な分解を達成した。この蛋白を産生する293Tの培養上清から超遠心法を用いて抽出したエクソソームを加えることで、KRASの分解及び増殖抑制を5つの膵癌細胞株において誘導することができた。
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研究成果の学術的意義や社会的意義 |
がん治療は日々進歩を続けているものの、細胞内の分子を標的とする手段はまだまだ少なく、特にKRASは長年がん治療の標的として有望視されてきたものの、いまだに制御する手段が乏しいと言わざるを得ません。本研究ではエクソソソームを解して直接的に活性化型KRASの分解を促す蛋白を細胞に移行させることでKRASの活性化型特異的分解を達成しました。この方法をウイルスによる遺伝子治療、あるいは細胞治療と組み合わせることで、新しいがん治療樹立の可能性が見えてきます。
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