研究課題/領域番号 |
19K16827
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研究種目 |
若手研究
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配分区分 | 基金 |
審査区分 |
小区分50020:腫瘍診断および治療学関連
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研究機関 | 北海道大学 |
研究代表者 |
野口 卓郎 北海道大学, 医学研究院, 助教 (40814554)
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研究期間 (年度) |
2019-04-01 – 2022-03-31
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研究課題ステータス |
完了 (2021年度)
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配分額 *注記 |
4,160千円 (直接経費: 3,200千円、間接経費: 960千円)
2021年度: 1,040千円 (直接経費: 800千円、間接経費: 240千円)
2020年度: 1,040千円 (直接経費: 800千円、間接経費: 240千円)
2019年度: 2,080千円 (直接経費: 1,600千円、間接経費: 480千円)
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キーワード | 腫瘍免疫学 / 肺癌 / EGFR阻害薬 / 腫瘍免疫 / EGFR変異陽性肺癌 / cfDNA / CD24 / 自然免疫応答 / 核酸受容体 / マクロファージ / 免疫チェックポイント阻害療法 |
研究開始時の研究の概要 |
一部のがん患者は、非感染状態でも発熱や倦怠感といった全身性炎症反応を呈する。これらは腫瘍熱、悪液質と呼ばれる。また、全身性炎症反応自体が、がん薬物療法の治療効果に対して負の側面を持つことが示唆されている。近年、担がん患者の末梢血中には腫瘍細胞由来DNAが浮遊してい ることが明らかとなってきた。免疫学的には DNAは免疫細胞のパターン認識受容体を介して炎症を惹起し、生体防御に関わる強力な免疫刺激性分子である。そのため、本研究では、がん患者における末梢血浮遊DNAの全身性炎症反応 への関与を解明することを目的とする。
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研究成果の概要 |
1)EGFR(Epidermal growth factor receptor:上皮成長因子受容体)変異陽性非小細胞肺癌がEGFRチロシンキナーゼ阻害薬(TKI)治療下でセルフリーDNA(cfDNA)の放出を促進し、免疫細胞のI型インターフェロンシグナル経路をStimulator of interferon genes(STING)依存性に活性化することを明らかとした。2)EGFR変異陽性非小細胞肺癌肺癌がEGFR-TKI治療下で抑制性免疫チェックポイントCD24を誘導することを細胞株、およびヒト検体を用いて明らかとした。
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研究成果の学術的意義や社会的意義 |
EGFR変異陽性肺癌に対するEGFR阻害薬は高い治療効果を認めるが、時間の経過とともにほとんどが耐性を獲得することが知られており、その耐性機序の理解と克服が課題である。本研究では、免疫学的観点から、この課題への研究を進めた。その結果、EGFR阻害薬によって誘導される免疫逃避機構関連因子を同定した。今後この経路を標的とした新規治療薬の開発により、EGFR変異陽性肺癌の治療成績の向上につながる可能性がある。
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