研究課題/領域番号 |
19K16834
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研究種目 |
若手研究
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配分区分 | 基金 |
審査区分 |
小区分50020:腫瘍診断および治療学関連
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研究機関 | 鳥取大学 |
研究代表者 |
宍戸 裕二 鳥取大学, 医学部附属病院, 助教 (00812702)
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研究期間 (年度) |
2019-04-01 – 2021-03-31
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研究課題ステータス |
完了 (2020年度)
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配分額 *注記 |
4,160千円 (直接経費: 3,200千円、間接経費: 960千円)
2020年度: 1,430千円 (直接経費: 1,100千円、間接経費: 330千円)
2019年度: 2,730千円 (直接経費: 2,100千円、間接経費: 630千円)
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キーワード | 5-アミノレブリン酸 / フェロトーシス / 食道癌 / 薬剤耐性癌細胞 |
研究開始時の研究の概要 |
本研究の目的は、「5-アミノレブリン酸(5-ALA)が食道癌に対してフェロトーシスを誘導することを明らかにし、薬剤耐性癌細胞に対する治療応用を目指す」ことである。 フェロトーシスは腫瘍特異的な細胞死誘導メカニズムとして近年注目されており、薬剤耐性腫瘍細胞に対する有望な治療経路である。しかし、未だフェロトーシスを介して抗腫瘍効果を発揮する薬剤は臨床で用いられていない。 我々は5-ALAが食道癌細胞株を含めた複数の癌種に対してフェロトーシスを誘導する可能性について見出した。本研究では5-ALAとフェロトーシスとの関連性について明らかにし、フェロトーシスを用いた新たな食道癌治療の可能性について精査する。
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研究成果の概要 |
5-アミノレブリン酸(5-ALA)は生体内に存在する天然のアミノ酸で、その腫瘍特異的な代謝経路と光感受性を利用して既に臨床で広く使用されている。一方で、非アポトーシス性の脂質酸化ストレスによる細胞死であるフェロトーシスが薬剤耐性癌細胞に効果的な治療経路として近年注目されている。本研究では、5-ALAが食道扁平上皮癌に対してフェロトーシスを誘導し抗腫瘍効果を発揮することを証明した。今後、5-ALAによるフェロトーシス誘導を利用したさらなる臨床応用が期待される。
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研究成果の学術的意義や社会的意義 |
フェロトーシスは薬剤耐性癌細胞にも効果を示すことから近年急速に研究が進んでおり、様々なフェロトーシスを誘導剤が同定されてきている。しかし、安全性の問題等から依然として実臨床への応用には至っていない。今回我々が着目した5-ALAは、既に実臨床でも広く使用されており、安全性は担保されている。したがって、5-ALAがフェロトーシス経路を介して抗腫瘍効果を発揮することを証明した本研究の成果は、今後フェロトーシスの臨床応用を理論的、現実的かつ安全に進めるために非常に意義のあるものである。
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