研究課題/領域番号 |
19K16835
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研究種目 |
若手研究
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配分区分 | 基金 |
審査区分 |
小区分50020:腫瘍診断および治療学関連
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研究機関 | 岡山大学 |
研究代表者 |
望月 雄介 岡山大学, 医学部, 客員研究員 (20756100)
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研究期間 (年度) |
2019-04-01 – 2020-03-31
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研究課題ステータス |
中途終了 (2019年度)
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配分額 *注記 |
4,290千円 (直接経費: 3,300千円、間接経費: 990千円)
2021年度: 1,950千円 (直接経費: 1,500千円、間接経費: 450千円)
2020年度: 1,040千円 (直接経費: 800千円、間接経費: 240千円)
2019年度: 1,300千円 (直接経費: 1,000千円、間接経費: 300千円)
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キーワード | 骨肉腫 / 抗PD-1抗体 / 免疫原性細胞死 / CD8陽性T細胞 / 腫瘍融解ウイルス / 免疫 |
研究開始時の研究の概要 |
現在悪性骨軟部腫瘍に対しては化学療法や放射線療法と手術療法を組み合わせているが、根治的な治療方法はまだない。腫瘍内でのみ選択的に増殖するアデノウイルスを用いたがんウイルス療法は、既存の放射線や抗がん剤とは異なるメカニズムで細胞死を誘導する新規療法のひとつである。一方免疫チェックポイント阻害剤は、大幅に生存期間の延長を期待できる治療薬として近年一躍脚光を浴びるようになったがん免疫製剤である。本研究では、テロメライシンと、免疫チェックポイント阻害剤である抗PD-1抗体との併用効果に関して、マウス・ヒトの悪性骨軟部腫瘍細胞株を用いて解析を行い、その有効性を検討する。
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研究実績の概要 |
近年、抗PD-1抗体をはじめとした免疫チェックポイント阻害剤は、大幅に生存期間の延長を期待できる治療薬として近年一躍脚光を浴びるようになっている。しかし癌種により有効性が異なり、骨肉腫に対し抗PD-1抗体を投与した場合、明確な有効性は報告されていない。 本研究では、腫瘍選択的融解アデノウイルス製剤であるテロメライシンと、免疫チェックポイント阻害剤である抗PD-1抗体との併用効果に関して、マウスの骨軟部腫瘍細胞株を用いて解析を行い、その有効性と有望性を検討した。 テロメライシンはマウス骨肉腫細胞の生存率を有意に抑制し、アポトーシスやオートファジーを誘導した。さらに、免疫原性細胞死のマーカーであるATPやHMGB1の放出も有意に増加した。以上より、テロメライシンに感染することでアポトーシスとオートファジーが誘導され、免疫原性細胞死を生じることで抗腫瘍免疫を活性化する可能性が示唆された。 次に、皮下腫瘍動物モデルを用いて抗PD-1抗体とウイルス療法の併用効果を検討した。マウス骨肉腫細胞で皮下腫瘍を作成し、テロメライシンを腫瘍内投与、マウス用抗PD-1抗体を腹腔内投与した。抗PD-1抗体とテロメライシンの併用療法は、抗PD-1抗体単独群に比べて有意に腫瘍体積の増加を抑制した。さらに腫瘍内のCD8陽性T細胞数を評価したところ、テロメライシン投与群や抗PD-1抗体とテロメライシン併用群で腫瘍内のCD8陽性T細胞数が有意に増加した。 これらの結果から骨肉腫細胞にテロメライシンを感染させることで免疫原性細胞死が誘導され、細胞内に浸潤するCD8陽性T細胞が有意に増加し、抗PD-1抗体の治療効果を増強することが示唆された。抗PD-1抗体と腫瘍融解ウイルスを用いた複合免疫療法は、骨肉腫に対する抗PD-1抗体の治療効果を増強する有望な治療戦略となることが期待される。
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