研究課題/領域番号 |
19K16837
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研究種目 |
若手研究
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配分区分 | 基金 |
審査区分 |
小区分50020:腫瘍診断および治療学関連
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研究機関 | 九州大学 |
研究代表者 |
高田 和樹 九州大学, 医学研究院, 共同研究員 (50806495)
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研究期間 (年度) |
2019-04-01 – 2023-03-31
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研究課題ステータス |
完了 (2022年度)
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配分額 *注記 |
4,290千円 (直接経費: 3,300千円、間接経費: 990千円)
2022年度: 780千円 (直接経費: 600千円、間接経費: 180千円)
2021年度: 650千円 (直接経費: 500千円、間接経費: 150千円)
2020年度: 780千円 (直接経費: 600千円、間接経費: 180千円)
2019年度: 2,080千円 (直接経費: 1,600千円、間接経費: 480千円)
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キーワード | 非小細胞肺癌 / 免疫療法 / 予後因子 / 肺腺癌 / 肺扁平上皮癌 / CD155 / PD-L1 / EGFR / 予後 / PD-L2 / TIGIT / lung cancer |
研究開始時の研究の概要 |
① 非小細胞肺癌切除検体におけるCD155発現を解析し、臨床病理学的因子、PD-L1発現、腫瘍浸潤リンパ球、遺伝子解析結果(EGFR、ALK)、予後との関係を明らかにする。② EGFRやALKの遺伝子変異を有する肺癌細胞株を用いて、CD155発現誘導機序においてdriver oncogeneが関与しているかを検討する。③ ルイス肺癌マウスモデルを用いて、CD155およびPD-L1の両者を標的とした新規複合免疫療法の抗腫瘍効果を検証し、治療モデルを確立する。
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研究成果の概要 |
肺扁平上皮癌264例において、無再発生存、全生存ともにCD155高発現は予後不良であった(p=0.0164, p=0.0023)。肺腺癌363例において、CD155高発現は無再発生存で予後不良(p=0.0188)、全生存では有意差を認めなかった(p=0.0531)。EGFR変異型において、CD155発現による予後の差は認められなかったが、EGFR野生型において、CD155高発現は予後不良であった(無再発生存p=0.0253, 全生存p=0.0225)。 肺扁平上皮癌およびEGFR野生型肺腺癌においてCD155高発現は予後不良であり、CD155発現が腫瘍細胞増殖に関与している可能性が示唆された。
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研究成果の学術的意義や社会的意義 |
非小細胞肺癌(NSCLC)において、薬剤耐性化克服や治療効果増強を目的に、既存の免疫チェックポイント阻害薬と新規薬剤との併用療法が多く検討されている。CD155はPD-L1同様に腫瘍細胞に発現し、免疫療法の標的として注目されている。本研究から、NSCLCにおいてCD155発現はPD-L1発現と関連があり、肺扁平上皮癌及びEGFR野生型肺腺癌においてCD155高発現は予後不良因子であった。以上から、肺扁平上皮癌及びEGFR野生型肺腺癌において、PD-1/PD-L1及びCD155/TIGITシグナル同時阻害の有効性を検証する価値があると思われ、新規複合免疫療法開発に向けた足がかりになると考える。
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