研究課題/領域番号 |
19K16840
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研究種目 |
若手研究
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配分区分 | 基金 |
審査区分 |
小区分50020:腫瘍診断および治療学関連
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研究機関 | 横浜市立大学 |
研究代表者 |
加藤 真吾 横浜市立大学, 附属病院, 講師 (20622583)
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研究期間 (年度) |
2019-04-01 – 2021-03-31
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研究課題ステータス |
完了 (2020年度)
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配分額 *注記 |
4,160千円 (直接経費: 3,200千円、間接経費: 960千円)
2020年度: 2,080千円 (直接経費: 1,600千円、間接経費: 480千円)
2019年度: 2,080千円 (直接経費: 1,600千円、間接経費: 480千円)
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キーワード | 膵癌 / 腫瘍免疫 / 腫瘍浸潤リンパ球 / オルガノイド |
研究開始時の研究の概要 |
免疫チェックポイント阻害剤(Immune Checkpoint Inhibitor; ICI)は、様々ながん種に適応が拡大されているが、難治がんである膵癌では、複数の臨床試験で腫瘍縮小効果が認められていない。ICIが高い抗腫瘍能を発揮するためには、多くの腫瘍特異的細胞障害性T細胞が腫瘍局所に存在する必要があるが、ほとんどの膵癌では腫瘍浸潤リンパ球(Tumor infiltrating lymphocyte; TIL)が極めて少ない。本研究では、独自に樹立した遺伝子変異の少ないマウス膵癌オルガノイド細胞株を用いて、遺伝子変異が少ない通常の膵癌に対してTILを増加させる手法の開発を目指す。
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研究成果の概要 |
本研究では、遺伝子変異の少ない通常型の膵癌に対し、有効ながん免疫療法の開発を目指した。研究期間内に、マウス膵癌オルガノイドのセクレトーム解析から、膵癌細胞オルガノイドで有意に分泌が増加するケモカインを同定した。更に、膵癌モデルマウスを用いた解析で、このケモカインのシグナル伝達系から、治療標的となり得る腫瘍免疫関連遺伝子を同定した。この遺伝子のノックアウトマウスでは、野生型のマウスを宿主とした場合に比較して、膵癌の増大が有意に抑制された。今後は、体外からこの遺伝子の機能を抑制する物質を投与し、膵癌の治療薬として応用可能か検討する方針である。
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研究成果の学術的意義や社会的意義 |
難治癌である膵癌の新たな治療法開発の糸口となる所見を得た。腫瘍免疫療法は、原発臓器に関係なく効果が期待できる治療法である。しかし、膵癌においては治療効果が高くないという臨床試験の結果があり、現状では使用されていない。今回の研究で、膵癌に効果的な免疫療法の経路の一つを明らかにした。今後は、この経路を標的とした薬剤の開発を行い、臨床応用を目指すこととした。
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