研究課題/領域番号 |
19K16841
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研究種目 |
若手研究
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配分区分 | 基金 |
審査区分 |
小区分50020:腫瘍診断および治療学関連
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研究機関 | 北里大学 |
研究代表者 |
前花 祥太郎 北里大学, 医療衛生学部, 講師 (40803177)
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研究期間 (年度) |
2019-04-01 – 2023-03-31
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研究課題ステータス |
完了 (2022年度)
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配分額 *注記 |
4,030千円 (直接経費: 3,100千円、間接経費: 930千円)
2021年度: 910千円 (直接経費: 700千円、間接経費: 210千円)
2020年度: 1,300千円 (直接経費: 1,000千円、間接経費: 300千円)
2019年度: 1,820千円 (直接経費: 1,400千円、間接経費: 420千円)
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キーワード | 欠損ウイルスベクター / 細胞療法 / 欠損レトロウイルスベクター / リンパ行性転移 / 細胞治療 / ウイルス / 剤耐性 / 薬剤耐性 / がん微小環境 / 生体膜及び受容体 / 疾患モデル動物 / 遺伝子工学 |
研究開始時の研究の概要 |
悪性腫瘍の周囲を取り巻く微小環境においては、酸素や栄養を共有する血管と同様に、がん組織の代謝物の放出や免疫に関わるリンパ管がその進展に強く関わっている。近年では抗血管新生療法によるがん周囲の血管を標的とした治療が効果を上げている一方で、がん組織の循環と転移に関わるリンパ管を標的とする治療法は未だ確立されていない。本研究は、申請者らが独自に進めてきた遺伝子改変細胞治療法を、悪性腫瘍の特に腫瘍リンパ環境を標的として応用し、癌微小環境の制御と転移抑制に向けた網羅的分子の探索から臨床応用に向けた基礎的研究基盤を確立する。
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研究成果の概要 |
研究代表者らが独自に進めてきた遺伝子改変細胞治療法を、腫瘍リンパ環境を標的として応用し、癌微小環境の制御と転移抑制に向けた網羅的分子の探索を行った。初めにレトロウイルスベクターを用いて高いsVEGFR-3蛋白質を産生する治療細胞並びに腫瘍細胞株を樹立した。 これらの樹立細胞を用いて、生体外におけ腫瘍細胞に与える影響とマウスモデルにおけるリンパ行性転移の評価と網羅的解析により、腫瘍リンパ環境に、細胞外マトリックスや増殖因子、ケモカインを代謝するマトリックスメタロプロテアーゼが重要であることが示唆され、新たな治療分子候補となる可能性が期待されたため、今後の新たな細胞治療への応用を考えたい。
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研究成果の学術的意義や社会的意義 |
がん患者の治療においては、外科手術や薬物治療などの直接的にアプローチする本体的治療とともに、がん治療において発生する副作用を軽減する支持療法が不可欠であり、全身投与による血小板減少・顆粒球減少・骨髄抑制など様々な副作用が生じる患者への負担を軽減する治療法が望ませれる。本研究の細胞治療では、がん組織局所において薬剤濃度を高め、血中の治療物質濃度を高めないメリットがある。本研究により肺組織と周囲リンパ節への転移に関わるVEGF-Cの役割と新たな治療候補分子を解析することができたことから、がん患者の治療による負担軽減へつながる治療法の開発へとつながることを期待する。
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