研究課題/領域番号 |
19K16844
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研究種目 |
若手研究
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配分区分 | 基金 |
審査区分 |
小区分50020:腫瘍診断および治療学関連
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研究機関 | 久留米大学 |
研究代表者 |
阪上 尊彦 久留米大学, 医学部, 助教 (90597402)
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研究期間 (年度) |
2019-04-01 – 2021-03-31
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研究課題ステータス |
完了 (2020年度)
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配分額 *注記 |
4,030千円 (直接経費: 3,100千円、間接経費: 930千円)
2020年度: 1,820千円 (直接経費: 1,400千円、間接経費: 420千円)
2019年度: 2,210千円 (直接経費: 1,700千円、間接経費: 510千円)
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キーワード | 膵癌 / 早期診断 / バイオマーカー / エクソソーム / microRNA / 膵液 / 血清診断 |
研究開始時の研究の概要 |
膵癌は固形腫瘍の中でも最も予後不良な悪性腫瘍であり、その予後改善が大きな課題である。予後不良な理由の一つは、早期発見が非常に困難である事であり、早期発見の為のバイオマーカーの発見が求められる。近年、膵癌を含め癌細胞はエクソソームを豊富に分泌し、そのエクソソーム中には、種々の蛋白やmRNA、microRNAなどが安定的に内包されており、微小環境における細胞間コミュニケーションを積極的に制御していることが明らかとなってきている。本研究では、より病巣と密接に関係する膵液中から膵癌に特異的なエクソソームを抽出し、画像診断で顕在化する前に、早期診断をする事を目的とする。
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研究成果の概要 |
我々は独自の手法を用いて、二つの膵液中エクソソーム由来膵癌特異的microRNAの同定に成功した。その後、膵癌患者膵液15例、慢性膵炎患者膵液11例を用いて検証したところ、既存の腫瘍マーカーや膵液細胞診よりも高い感度・特異度・正診率を示した。さらに、膵液細胞診に、この二つのmicroRNAを上乗せすることによって、より膵癌診断のバイオマーカーとして有用であることが示された。 また、血清診断への応用に関する少数例での検討では、有望な結果が得られ、血清診断への導出の可能性が示唆された。さらに、膵癌根治切除後の血清において発現が低下していることから、治療効果モニタリングとしての有用性も示唆された。
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研究成果の学術的意義や社会的意義 |
本研究が膵癌患者に寄与しうる効果は大きく二つある。一つ目は早期診断への応用、および病態のモニタリングである。画像診断で顕在化する前に膵癌を捉えることで飛躍的に早期膵癌を発見することが可能となり、5 年生存率向上に寄与することができる。また、治療(切除、化学療法、放射線治療など)後の効果判定や病勢のモニタリングに使える可能性がある。二つ目に、本研究で同定された新規 microRNAs の標的遺伝子が新たな治療標的となり得るため、創薬にまで発展させることが出来る可能性がある。
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