研究課題/領域番号 |
19K16850
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研究種目 |
若手研究
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配分区分 | 基金 |
審査区分 |
小区分50020:腫瘍診断および治療学関連
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研究機関 | 地方独立行政法人大阪府立病院機構大阪国際がんセンター(研究所) |
研究代表者 |
溝手 雄 地方独立行政法人大阪府立病院機構大阪国際がんセンター(研究所), その他部局等, がん創薬部研究員 (70801497)
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研究期間 (年度) |
2019-04-01 – 2022-03-31
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研究課題ステータス |
完了 (2021年度)
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配分額 *注記 |
4,290千円 (直接経費: 3,300千円、間接経費: 990千円)
2021年度: 1,170千円 (直接経費: 900千円、間接経費: 270千円)
2020年度: 1,170千円 (直接経費: 900千円、間接経費: 270千円)
2019年度: 1,950千円 (直接経費: 1,500千円、間接経費: 450千円)
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キーワード | がん免疫 / 抗原提示 / 免疫チェックポイント / 抗体療法 |
研究開始時の研究の概要 |
本研究はがんの局所において, がんを攻撃する免疫担当細胞にかかったブレーキを解除する免疫チェックポイント阻害剤(ICI)を開発するものである。従来のICIは免疫担当細胞ががん細胞を認識して破壊する段階(エフェクター相)でかかるブレーキを解除することを標的としているが, 本研究で開発する新たなICIは, エフェクター相より前の, 免疫担当細胞ががん細胞を認識できるようになる段階(プライミング相)でかかるブレーキの解除を標的としている。このように両者は作用点が異なると想定されるため, 従来のICIの効果がなかった症例に対する効果や, 従来のICIとの併用投与による相乗効果が期待される。
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研究成果の概要 |
本研究はがん免疫療法の新たな標的候補としてMFG-E8の可能性を示した。MFG-E8非存在下では、マウスに皮下移植した腫瘍細胞の増殖が抑えられ、さらに既存の免疫チェックポイント阻害剤である抗PD-1抗体の効果を増強した。この抗PD-1抗体治療効果の増強作用は、抗MFG-E8抗体との投与によっても再現できたため、抗MFG-E8抗体は抗PD-1抗体の有効な併用薬の候補になり得る。
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研究成果の学術的意義や社会的意義 |
がんに対する免疫の抑制を解除する免疫チェックポイント阻害剤(ICI)の臨床開発成功により, がん免疫療法が標準治療体系に組み込まれつつある。一方で臨床現場での知見を基に効果のない症例に対する新たな治療法の開発が基礎研究に求められている。 本研究結果は、既存のICIである抗CTLA-4抗体や抗PD-1抗体とは異なる作用機序で免疫抑制を解除しており、これまで効果の得られなかった症例に対して治療効果を得られる可能性を示唆している。
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