研究課題/領域番号 |
19K16855
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研究種目 |
若手研究
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配分区分 | 基金 |
審査区分 |
小区分50020:腫瘍診断および治療学関連
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研究機関 | 群馬大学 |
研究代表者 |
笠原 礼光 群馬大学, 医学部附属病院, 助教 (10815707)
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研究期間 (年度) |
2019-04-01 – 2023-03-31
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研究課題ステータス |
完了 (2022年度)
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配分額 *注記 |
4,290千円 (直接経費: 3,300千円、間接経費: 990千円)
2022年度: 260千円 (直接経費: 200千円、間接経費: 60千円)
2021年度: 260千円 (直接経費: 200千円、間接経費: 60千円)
2020年度: 1,820千円 (直接経費: 1,400千円、間接経費: 420千円)
2019年度: 1,950千円 (直接経費: 1,500千円、間接経費: 450千円)
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キーワード | バイオマーカー / 非小細胞肺がん / EGFR遺伝子変異 / オシメルチニブ / EGFR陽性 / 肺癌 / 非小細胞肺癌 / EGFR陽性非小細胞肺癌 / リキッドバイオプシー |
研究開始時の研究の概要 |
活性型EGFR遺伝子変異とともに耐性変異であるT790M変異を標的とした第3世代EGFR-TKIオシメルチニブが、初回治療においても使用できるようになった。しかしまだその耐性機序は明らかにされていない。近年、リキッドバイオプシーと呼ばれる血中循環DNAを利用したバイオマーカー検出が、組織検体の代替法として期待されている。本研究は高感度検出法であるデジタルPCRを用いて、初回治療としてオシメルチニブ治療を受ける患者の実臨床検体を用いた前向き観察研究により、血中バイオマーカーとオシメルチニブの治療効果との関係や耐性機序を明らかにすることを目的とする。
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研究成果の概要 |
EGFR-TKI治療増悪後にオシメルチニブを投与されたT790M陽性進行非小細胞肺がん患者40名を登録した。血漿サンプルはオシメルチニブ治療前、治療1カ月後、病勢進行時に採取した。血漿検体におけるex19欠失、L858R、T790Mのコピー数の検出率は、オシメルチニブ投与1ヵ月後が治療前より有意に低く、増悪時は1ヵ月後より有意に高かったが、C797Sは増悪時が1ヵ月時よりも有意に高かった。オシメルチニブ開始後の増悪時におけるT790Mの検出は、予後悪化を予測する有意な独立予後因子であり、治療前および増悪時におけるEGFR主要変異の存在は、オシメルチニブ開始後の生存期間短縮と関連していた。
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研究成果の学術的意義や社会的意義 |
近年、血中Circulating tumor DNA(ctDNA)の解析により、腫瘍内の不均一性についての分子情報を得られる可能性が指摘されている。しかし上皮成長因子受容体(EGFR)チロシンキナーゼ阻害剤(TKI)治療後のctDNAの効果予測的意義に関するデータは限られている。本研究においてctDNAに基づくEGFR遺伝子変異検査は、EGFR-TKI治療歴のあるT790M陽性NSCLCにおけるオシメルチニブ治療の予後予測に有用であると考えられた。本研究のように採血等を利用した非侵襲的なEGFR-TKIの治療効果の予測を実用化していくことが期待される。
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