研究課題/領域番号 |
19K16863
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研究種目 |
若手研究
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配分区分 | 基金 |
審査区分 |
小区分50020:腫瘍診断および治療学関連
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研究機関 | 大阪大学 |
研究代表者 |
中田 潤 大阪大学, 医学系研究科, 助教 (90528952)
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研究期間 (年度) |
2019-04-01 – 2022-03-31
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研究課題ステータス |
完了 (2021年度)
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配分額 *注記 |
4,290千円 (直接経費: 3,300千円、間接経費: 990千円)
2021年度: 1,300千円 (直接経費: 1,000千円、間接経費: 300千円)
2020年度: 1,300千円 (直接経費: 1,000千円、間接経費: 300千円)
2019年度: 1,690千円 (直接経費: 1,300千円、間接経費: 390千円)
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キーワード | WT1 / ペプチドワクチン療法 / ヘルパーペプチド / 腫瘍免疫 / ペプチドワクチン / WT1ペプチドワクチン / 抑制性マクロファージ / 癌免疫 / 癌ワクチン療法 / 腫瘍内免疫細胞 / TIL / Immunotherapy |
研究開始時の研究の概要 |
WT1ワクチン療法はヒト臨床試験において有望な臨床効果を示し、現在更にこの抗腫瘍効果を高める手法の探索が求められている。申請者はマウス腫瘍モデルにおいて、腫瘍内に浸潤したWT1特異的CD8+T細胞の中にメモリー形質の細胞集団が存在し、その集団が腫瘍内に局在し増殖・腫瘍殺傷しうることを報告してきた。そこで腫瘍内に浸潤するT細胞からWT1特異的CD4+, CD8+T細胞をそれぞれ取り出し、このCD4+, CD8+T細胞のTCR配列を有したT細胞のみを持つTCRトランスジェニックマウスを作成する。さらにこのT細胞を別のマウスに二次移植することで、腫瘍内への浸潤を制御する分子を探索する。
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研究成果の概要 |
マウス腫瘍モデルにおいてWT1-CTLペプチド単独療法に対しCD4+T細胞の除去、ヘルパーペプチドワクチン併用によるヘルパーCD4+T細胞の併用のいずれも末梢血中のWT1特異的CTLを増殖させた。しかしCD4+T細胞除去では腫瘍内のWT1特異的CTLは増加せず、WT1ヘルパーペプチド併用が最もWT1特異的CLT浸潤を増強させた。またWT1ヘルパーペプチド併用群で腫瘍内にオリゴクローナルに増殖したWT1特異的CTLのTCR配列(1B10)を同定し、この1B10-TCR導入ウイルスベクターを作成した。
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研究成果の学術的意義や社会的意義 |
CD4+T細胞にはCTLの活性・抑制の2面性が報告されてきたが、腫瘍内に癌抗原特異的CTLを効果的に誘導するためにはヘルパーペプチドCD4+T細胞が必要不可欠であることを明らかにした。本知見は今後癌ワクチン療法の開発において進むべき道を明確にした。また、ヘルプ活性の高い外来性抗原由来のCD4+T細胞は末梢血中では強い誘導を引き起こしたが、腫瘍内への癌抗原特異的CTL誘導では癌抗原特異的ヘルパーペプチドが有意に増強効果がすぐれており、腫瘍内の免疫環境においてCD4T細胞-樹状細胞-CD8T細胞の複合体の形成が効果的な抗腫瘍免疫の誘導に必要である可能性が示唆された。
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