研究課題/領域番号 |
19K16864
|
研究種目 |
若手研究
|
配分区分 | 基金 |
審査区分 |
小区分50020:腫瘍診断および治療学関連
|
研究機関 | 岡山大学 |
研究代表者 |
工藤 生 岡山大学, 医歯薬学域, 助教 (40830378)
|
研究期間 (年度) |
2019-04-01 – 2023-03-31
|
研究課題ステータス |
完了 (2022年度)
|
配分額 *注記 |
4,160千円 (直接経費: 3,200千円、間接経費: 960千円)
2022年度: 1,040千円 (直接経費: 800千円、間接経費: 240千円)
2021年度: 910千円 (直接経費: 700千円、間接経費: 210千円)
2020年度: 1,040千円 (直接経費: 800千円、間接経費: 240千円)
2019年度: 1,170千円 (直接経費: 900千円、間接経費: 270千円)
|
キーワード | 腫瘍血管正常化 / メトホルミンと抗PD-1抗体併用療法 / CD8TIL / IFN-γ / グルコース代謝競合 / GLUT1 / メトホルミン / 抗PD-1抗体 / 併用療法 / 腫瘍微小環境 / 代謝改変 |
研究開始時の研究の概要 |
腫瘍微小環境において低グルコース、低酸素、低pHという3つの要因が免疫細胞の抗腫瘍効果を妨げている。がん細胞も、それを攻撃するCD8T細胞もグルコース代謝に依存している。私たちは2型糖尿病治療薬であるメトホルミンが代謝を解糖系優位に変化させ、CD8T細胞を活性化し腫瘍を縮小できること、さらに抗PD-1抗体との併用で相乗的に抗腫瘍効果を得られることを明らかにしてきた。本研究では多重蛍光組織染色法を用いて、メトホルミン治療による腫瘍微小環境の時空間的変化を可視化して解明する。本研究の成果により、メトホルミンと免疫チェックポイント阻害剤の併用による、がん免疫治療の劇的な進歩が期待できる。
|
研究成果の概要 |
本研究では、Met+αPD-1併用療法による抗腫瘍効果に着目してきた。腫瘍微小環境ではがん細胞の不均一なGLUT1発現と、腫瘍血管の走行に関連がある様子が見られた。そこでMet+αPD-1による腫瘍血管の正常化の指標として、血管内皮細胞とそれを覆っている血管平滑筋またはペリサイトのとの重なる領域(CD31+ αSMA+)の増加、蛍光標識された70kDa dextranの腫瘍組織内部の血管からの漏れの減少、2MDa dextranの腫瘍血管内部への蓄積の減少などを観察してきた。その結果、腫瘍血管の正常化は、活性化CD8T細胞によるIFN-γ依存的であることが見出された。
|
研究成果の学術的意義や社会的意義 |
がん免疫療法では、腫瘍微小環境がどのように形成されているのかと、がん細胞を攻撃するCD8T細胞の働きを明らかにする必要がある。本研究では、がん細胞とCD8T細胞のグルコースの取り合いという観点から、GLUT1の発現を中心に、腫瘍微小環境が治療の前後でどのように変化するかを時空間的に解析した。その結果、メトホルミンと抗PD-1抗体併用療法において、CD8TILががん細胞を攻撃するだけでなく、腫瘍血管の正常化にも寄与していることが明らかになった。このことから、腫瘍微小環境の特徴である低グルコース、低酸素、低pHが、腫瘍血管正常化により一挙に解決できる可能性が見出された。
|