研究課題/領域番号 |
19K16869
|
研究種目 |
若手研究
|
配分区分 | 基金 |
審査区分 |
小区分50020:腫瘍診断および治療学関連
|
研究機関 | 九州大学 |
研究代表者 |
茂地 智子 (高居智子) 九州大学, 大学病院, 学術研究員 (10818090)
|
研究期間 (年度) |
2019-04-01 – 2021-03-31
|
研究課題ステータス |
完了 (2020年度)
|
配分額 *注記 |
4,160千円 (直接経費: 3,200千円、間接経費: 960千円)
2020年度: 2,340千円 (直接経費: 1,800千円、間接経費: 540千円)
2019年度: 1,820千円 (直接経費: 1,400千円、間接経費: 420千円)
|
キーワード | PARP / BRCA1変異陽性乳がん / 相同組み換え修復 / PARP阻害剤耐性 / DNA損傷チェックポイント機構 / BRCA遺伝子変異 / BRCA1変異陽性乳がん / DNA修復チェックポイント機構 |
研究開始時の研究の概要 |
BRCA遺伝子変異を有するがんの分子標的薬であるpoly ADP-ribose polymerase(PARP)阻害剤耐性を克服する治療の開発は急務の課題となっている。BRCA1は相同組み換え修復やDNA損傷チェックポイント機構の活性化に重要な役割を果たす。本研究では、BRCA1遺伝子変異を有する乳がんにおけるPARP阻害剤耐性獲得機序の解明とDNA損傷チェックポイント機構のセンサータンパクであるATM(ataxia telangiectasia mutated)やATR(ataxia telangiectasia and Rad3 related)が新規治療の標的となり得るのかを検証する。
|
研究成果の概要 |
PARP阻害剤は、BRCA1/2遺伝子変異を有するがんの分子標的薬であるが、その耐性獲得の克服は重要な課題である。BRCA1は相同組み換え修復以外にも、DNA損傷チェックポイント機構のセンサータンパクのATRによりリン酸化され、細胞周期チェックポイント制御にも重要な役割を果たす。 本研究では、BRCA1変異を有するPARP阻害剤耐性乳がん細胞株の樹立を試みた。また、BRCA1変異を有するde novoにPARP阻害剤耐性乳癌細胞株が、ATR阻害剤に感受性を示すという結果を得た。よって、ATRシグナル活性の阻害によりBRCA1変異陽性乳癌のPARP阻害剤耐性を克服できる可能性が示唆された。
|
研究成果の学術的意義や社会的意義 |
本邦でもBRCA変異陽性乳がんに対するPARP阻害剤(olaparib)の適応拡大が承認され、この薬剤の有効性に期待が高まる一方で、近い将来に耐性の問題が実臨床での大きな障害となることが予想される。 本研究は、BRCAを中心とする相同組み換え修復とDNA損傷チェックポイント機構を含むDNA損傷応答修復経路を標的とする乳がんの新規治療法の確立を目指しており、最終的には、BRCA遺伝子変異陽性乳がんのPARP阻害剤耐性克服に限らず、その他の相同組み換え修復遺伝子異常を有する乳がん治療法の開発への応用も可能であると考えられる。
|