研究課題/領域番号 |
19K16881
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研究種目 |
若手研究
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配分区分 | 基金 |
審査区分 |
小区分50020:腫瘍診断および治療学関連
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研究機関 | 京都大学 (2020-2022) 公益財団法人神戸医療産業都市推進機構 (2019) |
研究代表者 |
但馬 正樹 京都大学, 医学研究科, 助教 (50815032)
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研究期間 (年度) |
2019-04-01 – 2023-03-31
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研究課題ステータス |
完了 (2022年度)
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配分額 *注記 |
4,290千円 (直接経費: 3,300千円、間接経費: 990千円)
2022年度: 1,040千円 (直接経費: 800千円、間接経費: 240千円)
2021年度: 1,040千円 (直接経費: 800千円、間接経費: 240千円)
2020年度: 1,040千円 (直接経費: 800千円、間接経費: 240千円)
2019年度: 1,170千円 (直接経費: 900千円、間接経費: 270千円)
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キーワード | 腫瘍免疫 / 免疫代謝 / IL-10 / Dectin-1 / グルタミン代謝 / 免疫チェックポイント阻害 / 免疫関連副作用 / 1型糖尿病 |
研究開始時の研究の概要 |
免疫チェックポイント阻害薬をはじめとする新規免疫治療法の発展は癌治療ストラテジーに劇的な変化をもたらしたが、投薬治療の継続を困難にする免疫関連副作用のコントロールが重大な課題となっている。免疫抑制性サイトカインとして知られているIL-10 は最近になりその潜在的な免疫賦活作用が報告されており、このことはIL-10 が免疫関連副作用を抑制しつつ、癌微小環境においては抗PD-1 抗体と相乗的な抗腫瘍効果をもたらす可能性を示唆している。本研究では、IL-10 高産生性T 細胞サブセットTr2 細胞を利用し、免疫チェックポイント阻害薬の効果を最大化するための新たな癌治療の創薬ターゲット創出を目的とする。
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研究成果の概要 |
癌に対する免疫チェックポイント阻害治療において、免疫関連副作用の発症リスクをコントロールすることは腫瘍治療効果を最大化するための課題となっている。本研究では、免疫抑制サイトカインであるIL-10を高産生するTr2細胞が誘導されるための分子基盤としてIL-4/STAT6/GATA3経路およびa-KG/mTOR/CEBPb 経路の重要性を明らかにした。また、マウス癌モデルにてこれらのシグナル経路を活性化させたところ、抗腫瘍効果を維持しながら免疫関連副作用の抑制効果を有することを確認した。このことは、免疫チェックポイント阻害の副作用に対する新たな治療戦略の創出につながる可能性が示唆された。
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研究成果の学術的意義や社会的意義 |
本研究では、免疫関連副作用によって免疫チェックポイント阻害治療が制限されてしまう癌患者において、抗腫瘍効果が担保された上で自己免疫応答が抑制可能な治療アプローチの可能性を示すことができた。また、免疫チェックポイント阻害治療による抗腫瘍効果および免疫関連副作用を同一個体で解析することが可能なマウスモデルを確立した。これにより癌免疫応答および自己免疫応答の連関を検討することが容易となり、今後免疫チェックポイント阻害の効果を最大化するための癌治療戦略の創出を目的とした基礎研究に有用な病態モデルであると考えられる。
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