研究課題/領域番号 |
19K16883
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研究種目 |
若手研究
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配分区分 | 基金 |
審査区分 |
小区分51010:基盤脳科学関連
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研究機関 | 奈良先端科学技術大学院大学 |
研究代表者 |
春田 牧人 奈良先端科学技術大学院大学, 先端科学技術研究科, 助教 (40733663)
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研究期間 (年度) |
2019-04-01 – 2024-03-31
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研究課題ステータス |
交付 (2022年度)
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配分額 *注記 |
4,160千円 (直接経費: 3,200千円、間接経費: 960千円)
2021年度: 1,170千円 (直接経費: 900千円、間接経費: 270千円)
2020年度: 1,300千円 (直接経費: 1,000千円、間接経費: 300千円)
2019年度: 1,690千円 (直接経費: 1,300千円、間接経費: 390千円)
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キーワード | CMOSイメージセンサー / 脳機能イメージング / 脳血流計測 / 蛍光イメージング / 自由行動実験 / 脳血管障害 / 長期間計測 / マルチ生体シグナル計測 / 行動実験 |
研究開始時の研究の概要 |
本研究では、脳血管障害の発生メカニズムと脳血管障発症時の神経細胞に与える影響を同時に計測できる新規技術の開発を目指す。小型の実験動物の脳機能観察実験では、脳機能の継続的な観察は困難であることが現状である。そのため、本研究では3つの特性を持った生体埋め込み脳機能計測デバイスを開発する。①CMOSイメージセンサ技術とMEMS技術によっるデバイスの小型化。小型化により動物の行動を制限せずに脳機能計測を可能とする。②脳血流と脳神経活動の同時計測。③長時間連続計測。この3点の特性を持つデバイスを開発することで脳血管障害モデルマウスにおける脳血流、脳神経活動および行動の関連性を解明する。
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研究実績の概要 |
本研究では、大脳皮質体性感覚野における脳血流と脳神経活動を同時計測を目指し、2色LED( 緑色光[波長525 nm], 赤色光[625 nm])を搭載した小型脳機能計測用CMOSイメージングデバイスの開発を行った。本年度は、昨年度に達成した簡易設置構造(Modular head-mounted cortical imaging device for chronic monitoring of intrinsic signals in mice”, Journal of Biomedical Optics,27(2),026501,2022/02/14)を搭載したCMOSイメージングデバイスを用いて、遺伝子組み換えマウスを使用した脳機能観察実験を実施した。カルシウム蛍光プローブGCaMP6を発現する遺伝子組み換えマウスを使用した脳表血流・蛍光観察実験を行った。デバイスには血流観察用LED(波長535nm)、蛍光励起用LED(波長465nm)と励起光カット用ロングパスフィルタ(500nm Cut-On)が搭載されている。脳刺激に応答する血流変化と蛍光変化を同時に計測する事に成功し、血流と神経活動の関連性評価に有効なデバイスを開発できたと考えている。本研究成果は、"脳表観察用ヘッドマウント蛍光イメージングデバイスの開発", 第96回日本薬理学会年会, 2022/12/1)"、および"脳表血流・蛍光観察用ヘッドマウントCMOSイメージングデバイス", 第83回応用物理学会秋季学術講演会, 2022/9/20で、口頭発表を行った。応用物理学会における発表は、注目講演として選ばれ、応用物理学会から注目講演プレスリリースが行われている(https://www.jsap.or.jp/pressrelease/pr20220914)。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
2022年度の達成目標としていた試作した脳血流・神経活動同時計測可能な小型CMOSイメージングデバイスによる遺伝子組み換えマウスを用いた脳機能計測実験を行う事ができた。さらに、実験結果から脳血流変化と神経活動変化に関連性が見られることを確認した。 実験では、偏頭痛病態とされる皮質拡延性抑制(cortical spreading depression:CSD)を引き起こした際の血流変化と蛍光変化をデバイス機能の評価対象とした。CSDの伝搬に由来する蛍光変化と血流の増加をリアルタイムに観察する事に成功した。今後は、動物行動実験を用いて、血流と神経活動の関連性解明に向けた研究を継続する予定である。 加えて、本年度は開発した技術を細胞観察実験に応用し、"Miniaturized Cell Fluorescent-imaging Device equipped with Multielectrode Array", Sensors and Materials, vol.34, no.4, pp.1587-1599, 2022/4/26に学術論文発表を行った。この実験では励起光カットフィルタを搭載したCMOSイメージセンサ上に、多電極アレイ構造を半導体実装技術により形成した光学素子を搭載する事で、蛍光イメージングと電気生理計測の同時計測を目指したデバイスを開発した。
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今後の研究の推進方策 |
カルシウム蛍光プローブGCaMP6を発現する遺伝子組み換えマウスを使用した脳表血流・蛍光観察実験で得られた結果について、皮質拡延性抑制における血流変化および神経活動の関連性の解明を進めるため実験を継続する。さらに、動物行動実験を行い、大脳皮質体性感覚野における血流および神経活動の変化をリアルタイムに計測し、行動と脳機能の関連性の調査を開始する。次年度は、動物行動実験中における脳機能観察結果を”脳血流・神経活動計測用2色LED搭載小型CMOSイメージングデバイスの開発”として学術論文誌に発表予定である。
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