研究課題/領域番号 |
19K16890
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研究種目 |
若手研究
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配分区分 | 基金 |
審査区分 |
小区分51020:認知脳科学関連
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研究機関 | 筑波大学 |
研究代表者 |
禰占 雅史 筑波大学, 医学医療系, 研究員 (10770414)
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研究期間 (年度) |
2019-04-01 – 2022-03-31
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研究課題ステータス |
完了 (2021年度)
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配分額 *注記 |
4,290千円 (直接経費: 3,300千円、間接経費: 990千円)
2021年度: 1,430千円 (直接経費: 1,100千円、間接経費: 330千円)
2020年度: 1,430千円 (直接経費: 1,100千円、間接経費: 330千円)
2019年度: 1,430千円 (直接経費: 1,100千円、間接経費: 330千円)
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キーワード | 腹側線条体 / 意思決定 / 報酬選択 / 神経活動 / 電気刺激 / シグナルダイナミクス / 報酬 / サル |
研究開始時の研究の概要 |
意思決定は動物の生存戦略において欠かせない要素であり、意思決定過程では報酬価値の情報が重要となる。この報酬価値の情報は、中脳辺縁系や前頭葉皮質などから構成される報酬系回路において価値情報から意思決定の情報へとコーディングを遷移していくと考えられるが、報酬系回路の各脳領域が、この情報遷移のどの過程に関与するのかは不明瞭である。 本研究では、行動選択の実行に関わる“前頭葉”と価値情報の符号化に関わる“中脳ドーパミン系”双方との神経連絡を有する“腹側線条体”に主眼を置き、報酬選択場面におけるサル腹側線条体の神経活動が、意思決定シグナルの調節に直接的に関わるのかどうかを明らかとする。
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研究成果の概要 |
意思決定は動物の生存戦略において欠かせない要素であり、意思決定過程では報酬価値の情報が重要となる。本研究では、報酬選択場面におけるサル腹側線条体で選択肢の報酬情報のみならず、選択時にのみ報酬情報を表現するニューロンや選択の有無のみを表現するようなニューロンが見つかり、これらの活動は選択行動よりも早くからみられた。また、報酬選択場面における腹側線条体への電気刺激を行ったところ、選択傾向が不安定だった中間量の報酬価値条件下でのみ電気刺激による行動変化が観察された。これらの結果はサル腹側線条体が報酬情報から行動選択への意思決定過程に関与していることを示唆している。
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研究成果の学術的意義や社会的意義 |
ドーパミン入力を受ける腹側線条体はモチベーションや薬物などの依存行動に関わる領域として知られているが、本研究では意思決定過程に関わるサル腹側線条体の機能に着目した実験を行い、サル腹側線条体が意思決定に関わる多様なシグナルをコードし、選択傾向が固定されていない不安定な選択条件下の選択行動に対してサル腹側線条体の神経活動が因果的関係性を示すことが明らかとなった。これらの結果は、報酬選択場面において腹側線条体の神経活動が直接的に意思決定シグナルの調節に関わることを示唆しており、本研究により意思決定過程に関わるサル腹側線条体の機能の一端を明らかにできた。
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