研究課題/領域番号 |
19K16894
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研究種目 |
若手研究
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配分区分 | 基金 |
審査区分 |
小区分51020:認知脳科学関連
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研究機関 | 京都大学 |
研究代表者 |
東 広志 京都大学, 情報学研究科, 助教 (70734474)
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研究期間 (年度) |
2019-04-01 – 2023-03-31
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研究課題ステータス |
完了 (2022年度)
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配分額 *注記 |
4,160千円 (直接経費: 3,200千円、間接経費: 960千円)
2022年度: 780千円 (直接経費: 600千円、間接経費: 180千円)
2021年度: 780千円 (直接経費: 600千円、間接経費: 180千円)
2020年度: 780千円 (直接経費: 600千円、間接経費: 180千円)
2019年度: 1,820千円 (直接経費: 1,400千円、間接経費: 420千円)
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キーワード | ベイズ学習 / 強化学習 / EEG / 認知 / 脳波 / ベイズ推定 / 計算論的神経科学 |
研究開始時の研究の概要 |
人は日常的に非常に複雑な問題に直面しているが,あまり意識することなく簡単に解いている.本研究では,人がどのように問題を解くかを,人の行動を予測する計算モデルを作ることで明らかにする.さらに,脳活動を計測することによって,提案する計算モデルの裏付けを行う.脳活動の計測には,神経の早い活動を捉えることができるEEGを用いる.これにより,学習するときの計算の順序や速さを明らかにする.
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研究成果の概要 |
本研究では,ヒトがベイズ学習によって複数のパラメータを更新するさいの,更新の時間ダイナミクスを調査した.ベイズの定理は複数のパラメータを統合して更新する方法を示したものであるが,「パラメータをどのような順番で更新するか」は規定しない.このような更新順序や更新速度(情報が提示されてから更新するまでに要する時間)を時間ダイナミクスと呼び,これらを行動モデル解析とEEG解析によって明らかにした.本研究によって以下のことが示された.更新順序は,各パラメータの現在の学習結果がどれだけ確実であるか,つまり,学習の進捗度合いによって,適応的に決定される.更新は情報が呈示されてから約400ミリ秒後に完了する.
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研究成果の学術的意義や社会的意義 |
本研究は,情報をヒト脳に入力したときに,脳がどのようにその情報を処理し,脳内の外部環境に対する推定を更新するかを,時間ダイナミクスの観点から調査した.これまでの認知神経科学の研究では,学習を担う脳領域に着目することが多かった.これは脳の情報処理回路の回路構造を同定することを目的としている.一方で,時間ダイナミクスは,回路の構成部品がどのような役割を持っているかを知る手掛かりになる.本研究の成果は,脳回路に関する新たな知見と研究アプローチを提供しており,ヒトがどのように情報処理を行うかの解明に貢献する.
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