研究課題
若手研究
「病は気から」というように我々は日々様々なストレスに暴露されており、これらのストレスは胃痛などの症状を引き起こすことを経験的に知っている。これまでストレスがどのように健康を害するのかは不明であったが、我々はこの「病は気から」のメカニズムの一端を明らかにしてきた。本申請では慢性的なストレスにより体内で増加する細胞に焦点を当て、その機能解析を施行する。予備実験にて、ストレスが受容体Aを発現する細胞集団を増加させることを見出している。本研究によりこれまでになかったストレスに対する治療という概念が確立されるだけでなく、未だ明確となっていない「ストレスとは何か?」という問いにも答えられると確信している。
本研究にてストレス誘導性細胞集団における受容体Aが高発現することを明らかにしてきた。当該受容体Aに対する中和抗体を投与したところストレス依存性突然死が増加傾向にあった。また、本研究中にてストレス依存性に脳の特定血管に高発現する遺伝子の解析(遺伝子X)も行なった。我々は遺伝子Xに対する抗体を複数作成、蛍光免疫染色を行なったところストレス負荷を行なったマウスの脳特異血管でシグナルを検出した。さらにストレス突然死モデルに遺伝子Xに対する抗体を投与したところ突然死が抑制されることがわかった。またin vitroの実験にて遺伝子Xの抗体を添加したところIL-6アンプが抑制された。
これまでに我々は、慢性的なストレスが脳内の特定血管に病原性T細胞をを集積させ、炎症を引き起こすことで末梢-中枢間の臓器連関に多大な影響を及ぼすことを明らかにしてきた。言い換えれば、病原性T細胞は、ストレス刺激を受けることでケモカインレセプターなどの表現型が変化した結果、脳内の特定血管に集積できる可能性があり、その表現型の変化を末梢血レベルで捉えることができれば、疾患発症前に予防策を講じることが可能となる。本研究ではストレスにより増加する細胞集団の解析および特定血管に高発現する遺伝子の解析を実施し、ストレスに対する治療法という概念の確立とともに、社会的に大きな寄与が期待される革新的な研究である。
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