研究課題/領域番号 |
19K16917
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研究種目 |
若手研究
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配分区分 | 基金 |
審査区分 |
小区分51030:病態神経科学関連
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研究機関 | 山口大学 |
研究代表者 |
前田 敏彦 山口大学, 医学部附属病院, 助教 (50738961)
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研究期間 (年度) |
2019-04-01 – 2022-03-31
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研究課題ステータス |
完了 (2021年度)
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配分額 *注記 |
4,160千円 (直接経費: 3,200千円、間接経費: 960千円)
2020年度: 1,820千円 (直接経費: 1,400千円、間接経費: 420千円)
2019年度: 2,340千円 (直接経費: 1,800千円、間接経費: 540千円)
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キーワード | 血液脳関門 / ストレス蛋白質 / 視神経脊髄炎 / 熱ショック蛋白質 |
研究開始時の研究の概要 |
免疫性神経疾患において血液脳関門の破綻は、発症や再発のfirst stepとして重要であるが、この過程において血液脳関門を担う微小血管内皮細胞への自己免疫的機序が関与するかは不明である。本研究は患者血清中の自己抗体が、脳血管内皮細胞表面上の分子をターゲットとしてバリア破綻を生じさせるかを、血液脳関門のインビトロモデルを用いた実験的検証により解明する。特に熱ショック蛋白質をターゲットとする新たな自己抗体を念頭におき、発症や再発等のイベントや重症度などの臨床像と、抗体価の推移との関連性を検討することで、分子マーカーとしての有用性について検証を行う。
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研究成果の概要 |
視神経脊髄炎患者検体から,脳血管内皮細胞表面の抗原を標的とし,血液脳関門(BBB)を破綻させる新たな自己抗体の同定と機能解析を行った.ある熱ショック蛋白質に対する抗体が血液脳関門破綻をきたす新たな自己抗体となる可能性が明らかとなった.本抗体はインヴィトロBBBモデルのバリア機能を低下させ,本抗体価は視神経脊髄炎の発症,再発時に高値となり,重症度に関連することが明らかとなった.本抗体は視神経脊髄炎の病勢をモニターできる分子マーカとなる可能性が示唆された.
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研究成果の学術的意義や社会的意義 |
本研究で,視神経脊髄炎の流血中や脳脊髄液中の熱ショック蛋白質に対する自己抗体が血液脳関門の破綻に直接関与すること,および本抗体価が疾患の病勢を反映することを初めて明らにした.熱ショック蛋白質に対する抗体は,病勢をモニターする分子マーカとなる可能性があり,本抗体の作用を人為的に阻止する新たな治療標的として有望である.
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