研究課題/領域番号 |
19K16918
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研究種目 |
若手研究
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配分区分 | 基金 |
審査区分 |
小区分51030:病態神経科学関連
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研究機関 | 九州大学 |
研究代表者 |
中嶋 秀行 九州大学, 医学研究院, 助教 (00835390)
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研究期間 (年度) |
2019-04-01 – 2022-03-31
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研究課題ステータス |
完了 (2021年度)
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配分額 *注記 |
4,290千円 (直接経費: 3,300千円、間接経費: 990千円)
2021年度: 1,300千円 (直接経費: 1,000千円、間接経費: 300千円)
2020年度: 1,300千円 (直接経費: 1,000千円、間接経費: 300千円)
2019年度: 1,690千円 (直接経費: 1,300千円、間接経費: 390千円)
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キーワード | レット症候群 / MeCP2 / ミクログリア / TLR9 / RTT / microglia / 発達障害 |
研究開始時の研究の概要 |
MeCP2遺伝子変異は、Rett症候群(RTT)をはじめ、自閉症、統合失調症などを含めた様々な精神疾患・発達障害への関与が示唆されているが、発症機序の詳細は不明である。これまで、ニューロンにおけるMeCP2の機能異常がRTT発症の原因と考えられてきたが、最近グリア細胞の機能異常がRTT発症の一因である可能性が示唆されている。申請者は、ミクログリアで高発現している遺伝子Xシグナルの減少によりMeCP2欠損マウスの寿命が著しく伸びることを発見した。そこで本研究では、遺伝子欠損マウスの行動解析、ミクログリア機能性分子の探索・同定、RTT患者由来iPS細胞を用いた解析を行い、その治療法の開発を目指す。
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研究成果の概要 |
申請者は脳内免疫担当細胞ミクログリアに高発現し、細菌・ウイルス由来DNAを認識するToll様受容体9(TLR9)の遺伝子欠損マウスと MeCP2遺伝子欠損マウスを交配させ得られたTLR9/MeCP2ダブル欠損マウスでは、MeCP2単独欠損マウスと比べミクログリアの活性化が抑制され、寿命が著しく伸びることを見出した。そこで、TLR9のリガンドと想定している物質Xの阻害剤をMeCP2欠損マウスに投与したところ、MeCP2欠損マウスでみられるRTT様の表現型の改善及び寿命の延伸が観察された。
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研究成果の学術的意義や社会的意義 |
MeCP2遺伝子変異は、Rett症候群(RTT)をはじめ、自閉症、統合失調症などを含めた様々な精神疾患・発達障害への関与が示唆されているが、発症機序の詳細は不明である。本研究では、MeCP2KOマウスで観察されるミクログリアの活性化がRTT病態発症に関与しているとの仮説のもと、TLR9シグナルを抑制することでRTT様の表現型が改善することを見出した。今後は、TLR9のリガンドを同定しそのシグナル阻害剤などを投与することでRTT様の表現型が改善するかどうかを解析し、治療薬の開発へと繋げていきたい。
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