研究課題/領域番号 |
19K16923
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研究種目 |
若手研究
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配分区分 | 基金 |
審査区分 |
小区分51030:病態神経科学関連
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研究機関 | 京都府立医科大学 |
研究代表者 |
藤井 ちひろ 京都府立医科大学, 医学(系)研究科(研究院), 客員講師 (00516065)
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研究期間 (年度) |
2019-04-01 – 2024-03-31
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研究課題ステータス |
完了 (2023年度)
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配分額 *注記 |
4,290千円 (直接経費: 3,300千円、間接経費: 990千円)
2021年度: 1,300千円 (直接経費: 1,000千円、間接経費: 300千円)
2020年度: 1,300千円 (直接経費: 1,000千円、間接経費: 300千円)
2019年度: 1,690千円 (直接経費: 1,300千円、間接経費: 390千円)
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キーワード | multiple sclerosis / clinical diversity / immunological diversity / biomarker / disease modifying drugs / red flags / precision medicine |
研究開始時の研究の概要 |
多発性硬化症(multiple sclerosis: MS)は、代表的な中枢神経系の自己免疫性炎症性脱髄疾患で、本邦でも患者数が増加傾向にある神経難病である。本邦では現在6種類の疾患修飾薬が認可されているが、それぞれの薬剤に対する治療反応性は患者ごとに異なり、一定数の無効例も存在する。MSと診断された症例の中には、これら治療反応性の違いをはじめとする臨床像の多様性があり、その背景には異なる免疫病態が存在すると考えられる。本研究では、主として末梢血リンパ球を用いた解析により、MSの臨床的多様性に連なる免疫病態の多様性を明らかにし、多様性に応じた適切な治療選択のためのバイオマーカーの確立を目指す。
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研究成果の概要 |
本研究では、多発性硬化症の個々の患者における治療反応性の相違と多様な臨床所見、およびその背景となる免疫プロファイルとの相関性につき解析を行い、MS-DMDの有効性がMSに典型的とされる臨床所見の有無によって異なる可能性を示した。また、多様な臨床所見の背景には、サイトカイン・ケモカインプロファイルにて分類可能な免疫学的な相違がある可能性を見出した。臨床的特徴と免疫学的特徴およびMS-DMDの有効性との間に関連性が明らかになったことで、今後は臨床的・免疫学的特徴から個々の患者さんにより有効性の高い治療薬を選択できる可能性がある。
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研究成果の学術的意義や社会的意義 |
希少難病である神経免疫疾患、多発性硬化症の治療については、近年複数の治療薬が登場し治療予後も大きく改善している一方、個々の患者さんの臨床的特徴、免疫学的特徴に応じた治療の個別化は進んでいない。 本研究では、多発性硬化症患者さんが呈する様々な臨床所見の背景には免疫学的な相違がある可能性を、髄液のサイトカインプロファイル解析から見出した。また、臨床所見の違いによって、MS治療薬の有効性が異なる可能性を示した。臨床的特徴と免疫学的特徴、治療薬の有効性との関連性が明らかになったことで、今後は臨床的・免疫学的特徴から個々の患者さんにより有効性の高い適切な治療薬を選択できることが期待される。
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