研究課題/領域番号 |
19K16924
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研究種目 |
若手研究
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配分区分 | 基金 |
審査区分 |
小区分51030:病態神経科学関連
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研究機関 | 京都府立医科大学 |
研究代表者 |
森井 芙貴子 京都府立医科大学, 医学(系)研究科(研究院), 助教 (60806842)
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研究期間 (年度) |
2019-04-01 – 2023-03-31
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研究課題ステータス |
完了 (2022年度)
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配分額 *注記 |
4,290千円 (直接経費: 3,300千円、間接経費: 990千円)
2021年度: 1,300千円 (直接経費: 1,000千円、間接経費: 300千円)
2020年度: 1,300千円 (直接経費: 1,000千円、間接経費: 300千円)
2019年度: 1,690千円 (直接経費: 1,300千円、間接経費: 390千円)
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キーワード | 疾患モデル / 神経変性疾患 / ショウジョウバエ / シャルコー・マリー・トゥース病 / CMT2A / キネシン |
研究開始時の研究の概要 |
ミトコンドリア機能障害は様々な神経変性疾患を引き起こすことが知られているが、遺伝性の末梢神経障害を特徴とするCharcot-Marie-Tooth病タイプ2A(CMT2A)はミトコンドリア外膜蛋白のミトフシン2(MFN2)遺伝子変異によって生じ、ミトコンドリアと神経疾患をつなぐモデルとして注目されている。本研究では変異MFN2によるミトコンドリア軸索輸送障害の機序解明と新規治療標的の開発を目的とする。申請者はショウジョウバエを用いた疾患モデルとCMT患者iPS細胞由来神経細胞モデルを用いてその詳細を明らかにし、薬剤スクリーニングを行う。
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研究成果の概要 |
本研究はミトコンドリア軸索輸送に関わる分子の同定、機能解析、治療法の開発を目的とした。MFN2のホモログであるMarfの神経特異的ノックダウン(KD)系統はキネシンの一種であるKlp68D-KD系統との交配により運動機能が改善した。筋萎縮性側索硬化症モデルでも同様に運動機能が改善した。神経特異的ヒトTDP43遺伝子トランスジェニックショウジョウバエにおいてもKlp68D-KD系統の交配により生存期間が延長した。また網羅的遺伝子発現解析によってHsp70の有意な発現低下を確認し、Hsp70阻害薬の経口摂取によって成虫の運動機能に改善傾向が見られたが、統計学的有意差には至らなかった。
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研究成果の学術的意義や社会的意義 |
神経変性疾患においてミトコンドリアの軸索輸送は長い神経の末端までエネルギーを供給するシステムとして重要であるが、その運搬に関与する具体的な分子は不明点が多かった。本研究でショウジョウバエKlp68D(ヒトKif3Bホモログ)は複数の運動神経変性疾患の原因遺伝子と遺伝的相互作用を示し、発現抑制によって予後の改善が得られた。さらにHsp70の関与が示された。複数の異なる遺伝子で共通に変化する分子の同定に至ったことにより幅広い神経変性疾患への応用が可能な治療標的となり得る
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