研究課題/領域番号 |
19K16931
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研究種目 |
若手研究
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配分区分 | 基金 |
審査区分 |
小区分51030:病態神経科学関連
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研究機関 | 昭和大学 |
研究代表者 |
三上 貴弘 昭和大学, 医学部, 普通研究生 (80834944)
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研究期間 (年度) |
2019-04-01 – 2023-03-31
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研究課題ステータス |
完了 (2022年度)
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配分額 *注記 |
3,640千円 (直接経費: 2,800千円、間接経費: 840千円)
2021年度: 780千円 (直接経費: 600千円、間接経費: 180千円)
2020年度: 1,430千円 (直接経費: 1,100千円、間接経費: 330千円)
2019年度: 1,430千円 (直接経費: 1,100千円、間接経費: 330千円)
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キーワード | 脊髄 / 興奮性介在ニューロン / 抑制性介在ニューロン / オプトジェネティクス / カルシウムイメージング |
研究開始時の研究の概要 |
脊髄内にあるニューロンネットワークは通常抑制されており、脱抑制により不規則な発作様の自発活動が全ての髄節の前根から記録される。この脱抑制によりはじめて出現するニューロンネットワーク(バーストジェネレータ)は、脊髄損傷などの障害時の機能的ネットワークの再構成において重要な役割を担うと考えられる。本研究では興奮性および抑制性介在ニューロンの光操作による特異的な興奮と抑制、共焦点ライブイメージによる複数のニューロンからのカルシウムイメージングを用い、バーストジェネレータを構成する介在ニューロンとそのシナプス結合、これを抑制しているニューロンとその位置、バーストジェネレータ間の結合を明らかにする。
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研究成果の概要 |
脊髄内にあるニューロンネットワークは通常抑制されており、脱抑制により不規則な発作様の自発バースト活動が全ての髄節の前根から記録される。本研究ではこの脱抑制により顕在化する神経回路網(バーストジェネレータ、BG)が各脊髄節に存在すること、後根からの感覚入力によってBGを駆動できることなどを明らかにした。さらに各髄節にあるBG間の興奮性結合は強く、下部頚髄のみの脱抑制により、脊髄全体にわたって存在する各BG全体が駆動された。しかしまれに各筋を個別に支配するBGの駆動も観察された。今後、各筋のBGを個別に制御する方法が確立されれば、脊髄損傷患者が自ら呼吸や歩行できるようになる可能性がある。
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研究成果の学術的意義や社会的意義 |
高位脊髄損傷では脳から脊髄への指令経路が遮断されるため、歩行運動などの随意運動や呼吸運動ができない。生命維持のために人工呼吸器が必要である。本研究から各脊髄節にBGが存在すると考えられた。また同一脊髄節内に運動ニューロンが存在する筋でも対応するBGが別個に存在することも示唆された。横隔膜を支配する運動ニューロンへのBGを個別に駆動できれば、陽圧人工換気を用いずに呼吸できる可能性がある。またBG出力の強弱を制御できれば歩行させることも可能だ。このようなBGの制御方法の解明は、脳から脊髄への下行路を再生させる研究においても不可欠な知識となる。
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