研究課題/領域番号 |
19K16935
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研究種目 |
若手研究
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配分区分 | 基金 |
審査区分 |
小区分51030:病態神経科学関連
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研究機関 | 兵庫医療大学 |
研究代表者 |
小暮 洋子 兵庫医療大学, 薬学部, 助教 (60548684)
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研究期間 (年度) |
2019-04-01 – 2022-03-31
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研究課題ステータス |
完了 (2021年度)
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配分額 *注記 |
4,160千円 (直接経費: 3,200千円、間接経費: 960千円)
2021年度: 1,560千円 (直接経費: 1,200千円、間接経費: 360千円)
2020年度: 1,300千円 (直接経費: 1,000千円、間接経費: 300千円)
2019年度: 1,300千円 (直接経費: 1,000千円、間接経費: 300千円)
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キーワード | 内臓痛 / TRP受容体 / 大腸炎 / 活性酸素 / 酸化ストレス / 炎症性腸疾患 |
研究開始時の研究の概要 |
炎症性腸疾患(inflammatory bowel disease: IBD)は、潰瘍性大腸炎とクローン病が含まれ、共通して慢性的に腹痛が持続する。Transient receptor potential(TRP)受容体は、疼痛関連受容体として注目されており、近年、酸化ストレスとも関係していることが明らかとなっている。本研究では、IBDモデルとして潰瘍性大腸炎およびクローン病モデル動物を用い、各病態における酸化ストレス感受性TRP受容体の役割を解明することで、内臓痛発症機序の一端を明らかにする。また、TRP受容体を標的として、IBDに伴う内臓痛の新しい治療薬の探索を行う。
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研究成果の概要 |
炎症性腸疾患は腹痛が慢性的に持続するが、腹痛をコントロールする薬は開発されていない。大建中湯は、腹が冷えて痛み腹部膨満感のあるもの、に適応される漢方薬で、本研究から、好酸球に作用し、炎症性腸疾患に伴う腹痛に対しても有効であることを明らかにした。一方で、既存治療薬であるメサラジンは、好酸球に作用するが腹痛に対する鎮痛効果はないことが明らかとなった。TRPC5及びTRPV3受容体は、物理的・化学的刺激に対するセンサーであり、炎症で増加する酸化ストレス物質によって活性化されることが知られている。本研究から、TRPC5及びTRPV3受容体が炎症性腸疾患に伴う腹痛の発症に関与することが示唆された。
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研究成果の学術的意義や社会的意義 |
本研究より、メサラジンと大建中湯の炎症性腸疾患に対する作用は部分的に異なっていることが明らかとなった。大建中湯とメサラジンを併用することで、炎症性腸疾患に伴う腹痛症状の緩和や症状悪化の予防に効果を発揮できると期待される。また、TRPC5やTRPV3受容体が炎症性腸疾患に関わることを示唆したのは本研究が初めてである。今後の腹痛治療薬の開発においてこれらが新しいターゲットとなり、腹痛治療の進展に貢献できるであろう。
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