研究課題/領域番号 |
19K16964
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研究種目 |
若手研究
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配分区分 | 基金 |
審査区分 |
小区分52010:内科学一般関連
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研究機関 | 新潟薬科大学 |
研究代表者 |
長谷川 拓也 新潟薬科大学, 薬学部, 助手 (80813287)
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研究期間 (年度) |
2019-04-01 – 2024-03-31
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研究課題ステータス |
交付 (2022年度)
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配分額 *注記 |
4,160千円 (直接経費: 3,200千円、間接経費: 960千円)
2021年度: 1,040千円 (直接経費: 800千円、間接経費: 240千円)
2020年度: 1,560千円 (直接経費: 1,200千円、間接経費: 360千円)
2019年度: 1,560千円 (直接経費: 1,200千円、間接経費: 360千円)
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キーワード | 悪液質 / セマフォリン / 骨転移 |
研究開始時の研究の概要 |
進行がん患者に好発する『がん悪液質』は、食欲不振や代謝異常を特徴とした多因子性の栄養障害であり、従来の栄養療法では改善が難しく様々な生体機能を障害する。患者の生活の質を低下させ化学療法の障害となり、生命予後の悪化につながるため症状の進行抑制は重要な課題となっている。しかしながら、その進行メカニズムは不明な点が多く効果的な治療法が確立されていない。申請者は、新規がん悪液質モデルマウスを作出し悪液質進展の経過を観察しており、その過程で悪液質進行時に変動する分子としてセマフォリンの存在を明らかにしている。本研究では、新規悪液質モデルマウスを用いて、悪液質の進行に関わるセマフォリンの働きを明確にする。
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研究実績の概要 |
本研究では、肺がん骨移植による悪液質モデルマウスを作製し研究を進めている。本モデルでは、情動変化や骨移植による慢性疼痛も併発しており、進行がん患者の病態を忠実に再現していると考えられる。本モデルにおいて、神経軸索の伸長ガイダンス因子であるセマフォリンファミリーがいくつかの組織で変化することを確認しており、がん悪液質の治療標的として有効であるか解明するために研究を進めている。解析を進めたところ、症状の進行とともに数種類のセマフォリンの発現が骨格筋や脂肪組織において変化することが明らかとなった。また、セマフォリンは、その受容体であるプレキシンファミリーに結合することで、シグナルを伝達するが、組織によって結合様式が異なる。プレキシンについても骨格筋及び脂肪組織で発現量の変化を確認したことから、責任受容体がこのメカニズムに関わる可能性が示唆された。また、この現象が他の悪液質モデル(大腸がん悪液質モデルマウス)においても同様に起こっているか確認を行ったところ、共通して変化するセマフォリンとプレキシンを明らかにした。ここで明らかにしたセマフォリンを悪液質において重要な分子であると想定し、遺伝子発現ターゲティングの手法を用いて、その機能を解析している段階である。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
3: やや遅れている
理由
本年度は、予定していなかった大学の広報や入試関係の仕事が入り、その準備に多くの時間がとられたため、行動実験などの時間の確保が難しく研究計画に遅れが生じてしまった。また、治療標的を絞るために他の悪液質モデルマウスも使用して追加の実験を行ったことも遅れてしまった原因である。
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今後の研究の推進方策 |
今までの研究で明らかにした、骨格筋と脂肪組織で変化するセマフォリンとプレキシンを悪液質の進行に重要な分子であると想定し、細胞株、初代培養系、コンディショナルノックアウトマウスなどを使用して悪液質に対する影響を解析する。
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