研究課題/領域番号 |
19K16972
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研究種目 |
若手研究
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配分区分 | 基金 |
審査区分 |
小区分52010:内科学一般関連
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研究機関 | 東京大学 |
研究代表者 |
西川 尚子 東京大学, 医学部附属病院, 特任臨床医 (80814706)
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研究期間 (年度) |
2019-04-01 – 2021-03-31
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研究課題ステータス |
完了 (2020年度)
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配分額 *注記 |
4,290千円 (直接経費: 3,300千円、間接経費: 990千円)
2020年度: 1,950千円 (直接経費: 1,500千円、間接経費: 450千円)
2019年度: 2,340千円 (直接経費: 1,800千円、間接経費: 540千円)
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キーワード | 脂肪酸分子種 / リゾリン脂質 / グリセロリゾリン脂質 / ω-3脂肪酸 / ω-6脂肪酸 |
研究開始時の研究の概要 |
脂肪酸の分子種は種々の臨床研究によりヒト疾患との関わりが知られている。さて、脂肪酸は生体内で遊離型、トリアシルグリセロールの構成成分としてのみでなく、リン脂質中にも組み込まれている。特にリン脂質のうちグリセロリゾリン脂質は、多彩な生理活性作用を発揮するがその分子種による生理活性作用の相違については不明な点が多い。このような背景より、疫学研究にて報告されている脂肪酸分子種と疾患の関連をつなぐ新しい機序としてグリセロリゾリン脂質分子種が関与しているという仮説を立てた。本研究では、脂肪酸分子種と疾患の関連にグリセロリゾリン脂質分子種が関与しているかということを明らかにすることを目指す。
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研究成果の概要 |
生体内では脂肪酸分子種の違いや代謝バランスの変化が様々な炎症や代謝疾患に関与していることが示唆されている。特にω-3、ω-6脂肪酸は体内で活性代謝物・脂質メディエーターに変換され、抗炎症作用、抗線維化、抗アレルギー作用を発揮していることが報告されている。また臨床研究からもω-6/ω-3脂肪酸比と発癌、動脈硬化との関連の存在が指摘されている。我々はこのω-3ω-6脂肪酸と疾患との関連に生理活性脂質であるグリセロリゾリン脂質が関与する可能性を考え、HepG2細胞およびcolon26細胞を用いてω-6/ω-3脂肪酸添加時のグリセロリゾリン脂質の変動およびその生理的な役割について明らかにした。
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研究成果の学術的意義や社会的意義 |
生体内では脂肪酸分子種の違いや代謝バランスの変化が様々な炎症や代謝疾患に関与していることが示唆されている。特にω-3,ω-6脂肪酸は体内で活性代謝物・脂質メディエーターに変換され、抗炎症作用、抗線維化、抗アレルギー作用を発揮していることが報告されている。また臨床研究からもこれら脂肪酸比と発癌、動脈硬化との関連の存在が指摘されている。我々は脂肪酸と疾患との関連にリゾリン脂質が関与する可能性を考え脂肪酸添加時のリゾリン脂質の変動およびその生理的な役割について検討し、疫学研究より提唱されている抗腫瘍作用を説明することができた。本成果は臨床検査および創薬の対象として大きな意義があると考えられる。
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