研究課題/領域番号 |
19K16973
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研究種目 |
若手研究
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配分区分 | 基金 |
審査区分 |
小区分52010:内科学一般関連
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研究機関 | 東京大学 |
研究代表者 |
永渕 泰雄 東京大学, 医学部附属病院, 特任助教 (20792279)
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研究期間 (年度) |
2019-04-01 – 2022-03-31
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研究課題ステータス |
完了 (2021年度)
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配分額 *注記 |
4,160千円 (直接経費: 3,200千円、間接経費: 960千円)
2021年度: 1,300千円 (直接経費: 1,000千円、間接経費: 300千円)
2020年度: 1,560千円 (直接経費: 1,200千円、間接経費: 360千円)
2019年度: 1,300千円 (直接経費: 1,000千円、間接経費: 300千円)
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キーワード | 関節リウマチ / 治療反応性 / 樹状細胞前駆細胞 / トランスクリプトーム解析 / インターフェロン / 治療抵抗性 / 遺伝子発現解析 / バイオマーカー / pre-DC / 層別化医療 / precision medicine / 個別化医療 / 治療抵抗性機序 |
研究開始時の研究の概要 |
本研究では、関節リウマチ患者において生物学的製剤の治療効果を予測する免疫学的なバイオマーカーの確立、並びに治療抵抗性機序の免疫学的な解明を試みる。これまでに高活動性関節リウマチ患者の末梢血免疫細胞サブセットにおけるトランスクリプトーム解析で同定した特定の免疫細胞サブセットにおける遺伝子発現変化を治療抵抗性機序の候補として検証する。新規の患者検証群でその再現性を検討し、治療反応性予測バイオマーカーとしての有効性を検証する。さらに、健常人ならびに関節リウマチ患者末梢血から分離した免疫細胞サブセットの試験管内での機能解析と治療実験を行い、治療抵抗性機序の免疫学的な検討を行う。
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研究成果の概要 |
関節リウマチ(RA)患者の治療反応性を予測する免疫学的な予測因子の同定を試みた。新規治療を開始する高疾患活動性RA患者の末梢血免疫細胞分画の網羅的な遺伝子発現RNA-seqデータを解析し、治療抵抗性と最も強く関連したのは、長期罹患と関わる樹状細胞前駆細胞(pre-DC)遺伝子群であることを同定した。別個の遺伝子発現解析コホート、免疫細胞集団解析コホートでもpre-DC増加と治療抵抗性との関連が再現された。また、pre-DC遺伝子群は治療反応性に関連するインターフェロン経路と負に相関し拮抗的に作用することが示唆された。pre-DCは治療抵抗性RAの病態に関わる可能性があると考えられた。
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研究成果の学術的意義や社会的意義 |
生物学的製剤やJAK阻害薬の臨床利用によって、関節リウマチ患者の治療は大きな進歩を認めた。しかし、治療反応性には個々の症例による差が大きく、十分な治療効果を認めない難治症例の存在が問題となっている。本研究では、生物学的製剤やJAK阻害を使用開始する関節リウマチ患者の治療反応性を予測する免疫学的なバイオマーカーの同定を行った。本成果は、関節リウマチ患者の治療抵抗性の免疫学的な病態解明に貢献するのみならず、関節リウマチ患者の治療の適正化や、いわゆる"precision medicine"の実現にも貢献する可能性がある。
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