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体液貯留による血管内皮障害を介した浮腫形成を予防する新規治療戦略の開発

研究課題

研究課題/領域番号 19K16976
研究種目

若手研究

配分区分基金
審査区分 小区分52010:内科学一般関連
研究機関岐阜大学

研究代表者

内藤 順子  岐阜大学, 医学部附属病院, 医員 (80839217)

研究期間 (年度) 2019-04-01 – 2022-03-31
研究課題ステータス 完了 (2021年度)
配分額 *注記
2,340千円 (直接経費: 1,800千円、間接経費: 540千円)
2020年度: 1,300千円 (直接経費: 1,000千円、間接経費: 300千円)
2019年度: 1,040千円 (直接経費: 800千円、間接経費: 240千円)
キーワード血管内皮障害 / うっ血性心不全 / 体液貯留 / 心不全 / 腎不全 / グリコカリックス
研究開始時の研究の概要

腎不全や心不全による体液貯留は循環血液量を増加させ、機械的な圧負荷により血管内皮グリコカリックスを傷害し、水分の血管外漏出が増加し浮腫を形成する。カルペリチドは今日の臨床においてその利尿作用や血管拡張作用により体液貯留の治療に用いられている。ところが、近年カルペリチドにはがんの肺転移を抑制する作用がある等の報告があり、直接的な血管内皮保護作用の存在が示唆されている。
本研究は、体液貯留によるグリコカリックス傷害に対するカルペリチドの保護作用の有無を超微形態学的見地から考察し、直接的な血管内皮の保護によって腎不全・心不全による浮腫形成を予防する新たな治療戦略の可能性を探ることを目的とする。

研究成果の概要

拡張型心筋症モデルマウスを用いて、対照群と、カルペリチド投与群、フロセミド投与群の3群に分けて検討した。各々3日間投与後に採血を行い、定量的評価として血清中のシンデカン-1をELISA法により測定し、全身のグリコカリックス傷害を定量した。結果、コントロール群とカルペリチド群、コントロール群とフロセミド群で有意に低下を認めたが、カルペリチド群とフロセミド群では有意差は認めず、また予想と反し、フロセミド群のほうがシンデカン-1濃度が低い傾向となった。カルペリチド投与群は、フロセミド投与群と比べて、少なくとも有意に血管内皮障害を抑制する作用があるとは認められない結果となった。

研究成果の学術的意義や社会的意義

本研究の背景にも引用した、カルペリチドによる肺がん転移抑制効果を示した論文などが撤回された。よって、本研究の着想に至った理由である血管内皮保護作用については臨床的な背景を失った。本研究において、フロセミド投与による単純利尿によって血管内容量を減らすだけで、血管内皮障害が軽減されている可能性が示唆された。カルペリチドにも利尿作用があるため、血管内容量を減少させたことにより血管内皮障害を軽減させたと考えられるが、少なくともフロセミドと同等あるいはそれより強力な作用は見られないことも明らかになった。よって、カルペリチドに特異的な薬理作用による血管内皮障害抑制作用があるとは考えづらい。

報告書

(4件)
  • 2021 実績報告書   研究成果報告書 ( PDF )
  • 2020 実施状況報告書
  • 2019 実施状況報告書

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公開日: 2019-04-18   更新日: 2023-01-30  

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