研究課題/領域番号 |
19K16978
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研究種目 |
若手研究
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配分区分 | 基金 |
審査区分 |
小区分52010:内科学一般関連
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研究機関 | 京都大学 |
研究代表者 |
山崎 大 京都大学, 医学研究科, 特定講師 (90836032)
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研究期間 (年度) |
2019-04-01 – 2022-03-31
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研究課題ステータス |
完了 (2021年度)
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配分額 *注記 |
4,030千円 (直接経費: 3,100千円、間接経費: 930千円)
2021年度: 780千円 (直接経費: 600千円、間接経費: 180千円)
2020年度: 1,300千円 (直接経費: 1,000千円、間接経費: 300千円)
2019年度: 1,950千円 (直接経費: 1,500千円、間接経費: 450千円)
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キーワード | 脂肪膵 / 異所性脂肪 / 膵臓 / 糖尿病 / 膵臓癌 |
研究開始時の研究の概要 |
膵臓への異所性脂肪の蓄積である脂肪膵は、膵β細胞機能障害によって糖尿病、炎症性アディポカインによって膵臓癌を惹起すると推察されている。しかし先行研究では一致した見解が得られていない。脂肪膵が糖尿病や膵臓癌の危険因子であるかを明らかにすることを目的とする。 健診施設のCT検診受診者において、CT画像を用いて測定した膵脂肪量のデータと、10年間の一般健診データを突合し、脂肪膵と糖尿病発症の関連を縦断的に解析する。また健診施設の関連病院で、10年間に診療した膵臓癌患者の膵脂肪量をCT画像から測定する。CT検診受診者と膵臓癌患者の膵脂肪量を比較し、脂肪膵と膵臓癌の関連を検討する。
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研究成果の概要 |
研究目的は、脂肪膵が糖尿病や膵臓癌の危険因子であるかを明らかにすることである。CT検診受診者(肥満者735人、非肥満者1478人)を対象に、脂肪膵と将来の糖尿病発症を検討するコホート研究を行い、非肥満者でのみ脂肪膵が糖尿病の危険因子となることを示した。脂肪膵と膵臓癌発症については、膵臓癌の診断を受ける以前に何らかの理由でCTを施行していた膵臓癌患者38人と、年齢と性別をマッチングさせた非膵臓癌患者152人を対象としたケースコントロール研究を行ったところ、脂肪膵と膵臓癌との間に明らかな関連はみられなかった。本研究の知見を含め、脂肪膵の臨床的意義に関する総説をドイツの研究グループと共同で報告した。
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研究成果の学術的意義や社会的意義 |
非肥満者における、糖尿病発症の高危険群の同定や予防法の確立が課題とされている。本研究から、脂肪膵が非肥満者における糖尿病発症の新たな危険因子であることが明らかになり、非肥満者における糖尿病予防のために、脂肪膵に着目する重要性を示した。脂肪膵は生活習慣介入で改善可能であり、非肥満者でも脂肪膵を有する場合には、生活習慣に介入することで糖尿病の発症者を減少できる可能性を示唆する結果であり、社会的意義が大きいと思われる。
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