研究課題/領域番号 |
19K16982
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研究種目 |
若手研究
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配分区分 | 基金 |
審査区分 |
小区分52010:内科学一般関連
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研究機関 | 熊本大学 |
研究代表者 |
前田 沙梨恵 (山田 沙梨恵) 熊本大学, 病院, 医員 (30836234)
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研究期間 (年度) |
2019-04-01 – 2023-03-31
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研究課題ステータス |
完了 (2022年度)
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配分額 *注記 |
4,160千円 (直接経費: 3,200千円、間接経費: 960千円)
2022年度: 1,040千円 (直接経費: 800千円、間接経費: 240千円)
2021年度: 1,040千円 (直接経費: 800千円、間接経費: 240千円)
2020年度: 1,040千円 (直接経費: 800千円、間接経費: 240千円)
2019年度: 1,040千円 (直接経費: 800千円、間接経費: 240千円)
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キーワード | マクロファージ増殖 / インスリン抵抗性 / インスリン分泌低下 / インスリン分泌能 / 糖新生 |
研究開始時の研究の概要 |
肝臓や脂肪、膵臓におけるマクロファージが引き起こす慢性炎症は、インスリン抵抗性の進展やインスリン分泌低下に影響を与えるとされる。さらに申請者らはマクロファージが各組織に浸潤するのみならず、組織局所で増殖することを報告している。しかし、肝臓や内臓脂肪におけるインスリン抵抗性、あるいは膵島におけるβ細胞容量減少に伴うインスリン分泌低下の病態に対し、マクロファージの増殖が与える影響を評価した報告はない。本研究では、肝臓や内臓脂肪におけるインスリン抵抗性、及び膵島におけるβ細胞容量減少に伴うインスリン分泌低下におけるマクロファージ増殖の病態生理学的意義について新たに検討する。
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研究成果の概要 |
高脂肪食を負荷した肥満・耐糖能異常マウスにおいて、内臓脂肪や肝臓マクロファージ(Mφ)の有意な増殖を認めた。次にスカベンジャー受容体のプロモーター制御下にp27kipを発現するMφ特異的増殖抑制マウス(Tg群)を作成し高脂肪食負荷を行い、Tg群における耐糖能異常及びインスリン抵抗性の改善(全身の糖利用率及び骨格筋の糖取り込み率の改善、肝からの糖産生率の減少)を確認した。さらにTg群にて内臓脂肪や肝臓の炎症、酸化ストレスの軽減、肝臓の脂肪蓄積及び線維化の改善を認めた。 また糖尿病モデルのdb/dbマウスにおける膵島Mφの増殖、さらにdb/db-Tgにおける膵島増大の抑制傾向を認めた。
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研究成果の学術的意義や社会的意義 |
本研究では膵島におけるマクロファージ増殖に着目し、マクロファージ特異的増殖抑制マウスを用い、2型糖尿病におけるβ細胞減少及びそれに伴うインスリン分泌低下に対するマクロファージ増殖の病態生理学的意義を明らかにすること、さらにこれらの結果より糖尿病のインスリン抵抗性及びβ細胞容量減少に伴うインスリン分泌低下について、マクロファージ増殖を基盤とした共通の進展機序を提唱することに学術的意義があると考える。 また将来的にはマクロファージ増殖を標的とした糖尿病治療の開発につながる可能性があり、その点で社会的意義のある研究であると考える。
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