研究課題/領域番号 |
19K16984
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研究種目 |
若手研究
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配分区分 | 基金 |
審査区分 |
小区分52010:内科学一般関連
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研究機関 | 鹿児島大学 |
研究代表者 |
小浜 祐行 鹿児島大学, 鹿児島大学病院, 臨床検査技師 (50837276)
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研究期間 (年度) |
2019-04-01 – 2022-03-31
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研究課題ステータス |
完了 (2021年度)
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配分額 *注記 |
4,160千円 (直接経費: 3,200千円、間接経費: 960千円)
2021年度: 1,300千円 (直接経費: 1,000千円、間接経費: 300千円)
2020年度: 1,820千円 (直接経費: 1,400千円、間接経費: 420千円)
2019年度: 1,040千円 (直接経費: 800千円、間接経費: 240千円)
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キーワード | 血小板 / 血小板機能異常症 / PBX2 |
研究開始時の研究の概要 |
診断に至らない血小板機能異常症の症例において、エクソーム解析を行い、遺伝子変異の中からホメオボックス遺伝子として知られる遺伝子変異を発見した。この新規分子は、巨核球・血小板系列の遺伝子発現に関与する転写因子であるが、血小板機能異常との関連、シグナル伝達機構の詳細は未だ解明されていない。 本症例の解析結果をもとに、①血小板内シグナル経路において、新規分子を介した新規の経路が存在すること、②新規分子が巨核球分化へ関与していること 、の2つの仮説を立てた。血小板内シグナル伝達並びに巨核球分化における新規分子の機能解析を行うことにより、新規分子が血小板生成、分化と血小板機能へ果たす役割を明らかにする。
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研究成果の概要 |
本研究は、診断に至らない出血傾向を呈する症例において、同一家系内エクソーム解析により発見したPBX2を責任遺伝子とし原因解明を試みるものである。患者の血小板凝集能試験は、ADP刺激での半減と、EPI刺激での欠如を認めた。洗浄血小板を用いて血小板活性化表面マーカーであるCD62P、PAC-Iを測定した結果、患者のTRAPおよびEPI刺激後のPAC-Iの発現率が、対照と比較し3分の1低下していた。 以上より、アデニル酸シクラーゼサイクル(AC)活性化後の経路内にPBX2が関与している可能性が示唆され、血小板内シグナル経路内に、PBX2を介した新規経路の存在をより高める結果が得られた。
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研究成果の学術的意義や社会的意義 |
本症例にて発見されたPBX2分子異常は世界初の報告である。 血小板凝集能試験結果および、洗浄血小板を用いた血小板活性化表面マーカーであるCD62P、PAC-I発現率の測定結果から得られた研究成果は、PBX2が血小板内シグナル経路のアデニル酸シクラーゼサイクル(AC)活性化後の経路内に関与する新たな知見へと繋がったことから、本邦における診断に至らない止血異常を有する血小板機能異常症患者の血小板機能の解明において、社会的意義は高いと言える。
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