研究課題/領域番号 |
19K16985
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研究種目 |
若手研究
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配分区分 | 基金 |
審査区分 |
小区分52010:内科学一般関連
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研究機関 | 札幌医科大学 |
研究代表者 |
中野 正子 札幌医科大学, 医学部, 講師 (20709646)
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研究期間 (年度) |
2019-04-01 – 2022-03-31
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研究課題ステータス |
完了 (2021年度)
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配分額 *注記 |
4,160千円 (直接経費: 3,200千円、間接経費: 960千円)
2021年度: 1,560千円 (直接経費: 1,200千円、間接経費: 360千円)
2020年度: 1,300千円 (直接経費: 1,000千円、間接経費: 300千円)
2019年度: 1,300千円 (直接経費: 1,000千円、間接経費: 300千円)
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キーワード | マインドフルネス / 認知機能 / エクソソーム / microRNA / micro RNA |
研究開始時の研究の概要 |
本研究では、65歳以上の一般高齢者に対しマインドフルネスに行い、認知機能への影響および血中エクソソームに含まれるmicro RNAの変化を検索する。マインドフルネスは、ボディースキャン・ヨガ・静座瞑想から構成される瞑想法で、認知症発症を抑制することが知られているが、そのメカニズムは明らかとなっていない。本研究によって、マインドフルネスによる認知機能向上とmicro RNAとの関連が証明できれば、エビデンスの確立した認知症予防法として提言できると考えられる。
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研究成果の概要 |
本研究では、65歳以上の一般高齢者にマインドフルネスを実施し、介入前後で、認知機能検査(MoCA-J)と採血を実施した。その結果、介入前後で認知機能が向上していた。また血液からニューロン由来エクソソームを単離し、各種microRNAを測定したところ、miRNA-29cが増加していた。 次に、miRNA-29c mimicをアルツハイマー型認知症モデルマウスに脳室内投与したところ、認知機能障害が抑制され、また海馬における神経細胞死が抑制されていた。 以上から、マインドフルネスは脳内のニューロンのmiRNA-29cの発現を増加させ、神経細胞死を抑制することで、認知機能を向上させると考えられた。
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研究成果の学術的意義や社会的意義 |
マインドフルネスは、うつや慢性疼痛に有効であることが知られているが、近年認知機能障害に対しても効果があることが報告されている。これまで、マインドフルネスによって、扁桃体・前帯状回などの血流が、増加することが知られている。しかしマインドフルネスによって、どのような分子的な変化が引き起こされているか分かっていなかった。 本研究では、マインドフルネスに参加した高齢者の血液から、ニューロン由来エクソソームを単離し、その結果ニューロンのmiR-29cが変化していることを捉えた。この分子的なメカニズムを解明した点が、本研究の学術的意義であると考える。
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