研究課題/領域番号 |
19K16996
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研究種目 |
若手研究
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配分区分 | 基金 |
審査区分 |
小区分52010:内科学一般関連
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研究機関 | 千葉大学 (2020-2021) 国立研究開発法人国立循環器病研究センター (2019) |
研究代表者 |
山本 雅 千葉大学, 大学院医学研究院, 特任助教 (40825064)
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研究期間 (年度) |
2019-04-01 – 2022-03-31
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研究課題ステータス |
完了 (2021年度)
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配分額 *注記 |
4,290千円 (直接経費: 3,300千円、間接経費: 990千円)
2021年度: 1,300千円 (直接経費: 1,000千円、間接経費: 300千円)
2020年度: 1,820千円 (直接経費: 1,400千円、間接経費: 420千円)
2019年度: 1,170千円 (直接経費: 900千円、間接経費: 270千円)
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キーワード | ウェルナー症候群 / 細胞老化 / HDL / コレステロール / 老化 |
研究開始時の研究の概要 |
早老症ウェルナー症候群(WS)はDNA修復タンパクWRNの遺伝的欠損により老化が促進する難病で治療法がない。申請者はWSでは細胞内コレステロール(Chol)が増加しやすく、またWRN阻害(1st hit)に細胞内Chol蓄積(2nd hit)が加わると細胞老化がより促進するという予備知見から、WSでChol蓄積を防ぐことが本症の早老症進行を抑えるのではないかと着想した。本症の研究を通じてChol蓄積と老化を結ぶメカニズムを解明することで、WSの治療法確立、さらには国民の健康寿命延伸に貢献する。
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研究成果の概要 |
ウェルナー症候群(WS)患者血中エクソソーム中では一部のmicroRNAが健常者と比較し増加していた。本解析で同定したmicroRNA-128の過剰発現はWS皮膚線維芽細胞においてコレステロールを無毒化する酵素であるACAT1の発現を低下させた。また、コレステロール代謝とかかわる生理活性物質がWS血中では異常値を示し、その物質の濃度調節は皮膚線維芽細胞のセルサイクルを変化させることを見出した。さらに、コレステロール排泄促進物質のスクリーニングを実施し、ポリフェノール代謝物および機械受容チャネル抑制物質を候補物質として同定した。
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研究成果の学術的意義や社会的意義 |
本研究を通してコレステロール代謝異常に関与するmicroRNAおよびコレステロール搬出能を改善させる候補物質を同定することができ、新規のコレステロール代謝改善治療法を開発するうえでの治療標的を提案することができた。研究をさらに継続することで、これまでと異なるメカニズムでの脂質異常症治療薬の開発に貢献しうる。さらに、細胞のコレステロール代謝改善が細胞増殖に影響するデータは老化への新しい介入アプローチを示唆しており、老化研究における学術的意義もあると考えられた。
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