研究課題/領域番号 |
19K17002
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研究種目 |
若手研究
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配分区分 | 基金 |
審査区分 |
小区分52020:神経内科学関連
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研究機関 | 三重大学 |
研究代表者 |
森本 悟 三重大学, 医学系研究科, リサーチアソシエイト (00816952)
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研究期間 (年度) |
2019-04-01 – 2021-03-31
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研究課題ステータス |
完了 (2020年度)
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配分額 *注記 |
4,290千円 (直接経費: 3,300千円、間接経費: 990千円)
2020年度: 2,470千円 (直接経費: 1,900千円、間接経費: 570千円)
2019年度: 1,820千円 (直接経費: 1,400千円、間接経費: 420千円)
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キーワード | Kii ALS/PDC / tau / phosphorylation / mass spectrometry / pluripotent stem cells |
研究開始時の研究の概要 |
アルツハイマー病、Kii ALS/PDC、及びFTDP-17といったタウオパチーでは、側頭葉内側面を中心としたリン酸化タウの蓄積を認めるが、タウのリン酸化の違いと疾患特異性の関係は不明である。よって、Kii ALS/PDCに特異的なタウのリン酸化状態を調べるために、健常者・患者凍結脳及びiPS細胞由来神経細胞からタウを精製し、質量分析法によってリン酸化レベルやリン酸化部位の網羅的解析を行う。また、「同一疾患でもタウのリン酸化状態が異なる」、「脳部位や細胞種特異的に促進されるタウのリン酸化状態が存在する」という仮説を立て、脳内の複数部位・複数細胞のリン酸化状態の検討も行う。
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研究成果の概要 |
ヒト凍結脳組織から、質量分析(MS)解析に使用するためのタウタンパク質の精製手法を確立した。さらに特殊なMS解析を用いて、健常者およびアルツハイマー病患者脳におけるタウタンパク質のリン酸化状態を解析した。予測解析の結果から、181個のリン酸化アミノ酸配列を同定した。さらに同定されたペプチド(アミノ酸を構成するより小さい単位)のリストについて、健常者とアルツハイマー病患者脳との間で、各ペプチド毎にリン酸化状態の明確な差異を検出するに至った。
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研究成果の学術的意義や社会的意義 |
本研究課題において、ヒト凍結脳からの効率的なタウタンパク質の抽出・純化方法、ならびにリン酸化部位解析法を確立した。その方法を用いて、健常者とアルツハイマー病患者脳におけるタウタンパク質のリン酸化の違いを、詳細にプロファイリングすることに成功した。 アルツハイマー病を代表としたタウタンパク質に異常を来す疾患は、患者数が非常に多く社会的に重要度の高い疾患にも関わらず、根本的な治療法が存在しない。本研究結果は、タウ関連疾患の重要な病態産物であるリン酸化タウタンパク質の疾患毎の形成機序や、リン酸化という現象をターゲットとした治療法への全く新しい側面のアプローチを提供できる可能性を秘めている。
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