研究実績の概要 |
2022年度では、2020/2021年度と同様、世界的な新型コロナウイルスの感染拡大(パンデミック)の終息の見通しが立たないなか、動物実験の進行が停止している。 一方で、ヒトを対象とした研究では、2019年度にニューロモデュレーション刺激の効果を評価するための順序記憶課題を開発し、てんかん外科症例1例において、課題遂行中の海馬の脳波活動を頭蓋内電極から実際に記録し、解析を進め、順序記憶課題の最中に、海馬において特徴的な脳波活動を見出した。今後、さらに症例を増やし、記憶システム固有の脳律動バイオマーカーを探索予定である。 一方、2022年度に、記憶とは異なるが運動抑制機能に関して二次運動野(中前頭回後部、前補足運動野)に皮質電気刺激を行い、運動抑制機能を変調させる研究を行い、論文発表した:Takeyama H, Matsumoto R, Usami K, Nakae T, Shimotake A, Kikuchi T, Yoshida K, Kunieda T, Miyamoto S, Takahashi R, Ikeda A. Secondary motor areas for response inhibition: an epicortical recording and stimulation study. Brain Communications, Volume 4, Issue 4, 2022, fcac204. 今後の記憶ニューロモデュレーションへの応用が期待できる。
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