研究課題/領域番号 |
19K17004
|
研究種目 |
若手研究
|
配分区分 | 基金 |
審査区分 |
小区分52020:神経内科学関連
|
研究機関 | 京都大学 |
研究代表者 |
武山 博文 京都大学, 医学研究科, 客員研究員 (10808489)
|
研究期間 (年度) |
2019-04-01 – 2025-03-31
|
研究課題ステータス |
交付 (2023年度)
|
配分額 *注記 |
4,030千円 (直接経費: 3,100千円、間接経費: 930千円)
2022年度: 780千円 (直接経費: 600千円、間接経費: 180千円)
2021年度: 780千円 (直接経費: 600千円、間接経費: 180千円)
2020年度: 780千円 (直接経費: 600千円、間接経費: 180千円)
2019年度: 1,690千円 (直接経費: 1,300千円、間接経費: 390千円)
|
キーワード | 記憶 / 海馬 / 順序記憶課題 / 海馬傍回 / ニューロモデュレーション / 嗅内野 / 電気刺激 |
研究開始時の研究の概要 |
頭蓋内深部電極を用いたマウス嗅内野皮質への微小電流・高頻度の刺激では、記憶機能の促進が、側頭葉てんかん患者においては記銘力の改善が報告されたが、記憶機能促進の機序や、至適刺激条件を模索中の段階である。本研究は、げっ歯類動物・ヒトを対象として、動物実験と臨床研究を交えながら両者を比較して進めることで、記憶機能促進を目的とした海馬・海馬傍回を中心とする記憶系への直接の微小電気刺激の安全性や作動原理とそれに基づく至適条件を包括的に明らかにする。これらの解明によって、将来、難治性てんかん、アルツハイマー病、脳炎後遺症、頭部外傷などの脳機能障害に基づく疾患治療への応用が期待される。
|
研究実績の概要 |
2023年度では、ヒトを対象とした研究では、2019年度にニューロモデュレーション刺激の効果を評価するための順序記憶課題を開発し、てんかん外科症例2例において、課題遂行中の海馬の脳波活動を頭蓋内電極から実際に記録し、解析を進めている。今後、さらに症例を増やし、記憶システム固有の脳律動バイオマーカーを探索予定である。 一方、高齢発症側頭葉てんかん患者を対象とした研究で、扁桃体海馬移行部の腫大を伴う症例では記憶機能に障害がみられることを見出した(論文投稿中)。このような海馬機能異常による記憶障害をきたす疾患群に対して、今後の記憶ニューロモデュレーションへの応用が期待できる。
|
現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
4: 遅れている
理由
刺激の安全性確認のための動物実験に関しては、実験系の確立が立ち遅れている。動物実験に習熟した人材確保の問題、新型コロナウイルス感染拡大に伴う大学での実験の停止の影響などが考えられる。 また、ヒト研究の対象である、頭蓋内電極留置によるてんかん外科の術前評価の症例数が当施設で減少しており、症例数が集まりにくい状況がある。また、当 施設で使用していた頭蓋内電極(Stereo-EEG用の深部電極)に仕様上の不具合がみつかり、リコール対象となったため、stereo-EEGのための深部電極留置術その ものが現在ストップとなっていたが2023年6月から再開した。
|
今後の研究の推進方策 |
動物実験の進行については、新型コロナウイルス感染の終息とともに、実験系の構築を進めたい。 ヒトを対象とした研究については、stereo-EEGの電極留置を2023年6月から再開し、今後症例の蓄積が期待されるため、記憶システム固有の脳律動バイオマーカーの探索を進めていく。
|